ハワイの文化と遺産を伝えるデザインスタジオ、フィルポッツ・インテリアのユニークなホスピタリティプロジェクト
ハワイで最も有名なインテリアデザイン会社の1つであるフィルポッツ・インテリアは、ハワイの美しい島の伝統と文化に深い敬意を払い、ユニークなホスピタリティプロジェクトを実施している。創設者のメアリー・フィルポッツ・マクグラスのデザイン精神は、ハワイを訪れる人々を「その場所の感覚」で結び付け、島の温暖な気候と環境がいかに調和のとれた生活を可能にするかを表現していくことだ。現在2代目と3代目のマリオン・フィルポッツ・ミラーとローウェル・トム、ホリー・ボリング・ルイスはメアリーの足跡をたどり、家業の信頼性を伝えながら、アジア、南太平洋、米国本土から引き出された文化と大自然の要素を融合させた創業者のデザインスピリットを継承している。
「Hoʻi ka ʻoʻopu ʻai lehua i ka māpunapuna」は「元に戻る」というハワイのことわざであると同時に、フィルポッツ・インテリアにとって無限のインスピレーション源となっている。彼らにとってのホスピタリティーとは、地域的に重要なデザイン要素、地元の芸術品、工芸品を組み込み、ハワイの文化と歴史を島を訪ずれる人々に本物として伝える機会を提供することである。土着の広葉樹、石材、グラスクロス、織り目加工の布地、特注の家具や、ペッグ・ホッパーなどの芸術家による文化的に重要なアートワーク (フィルポッツ・インテリアが国際的な認知度に貢献した) はすべて、ホテルのゲストを「アイナ(ハワイ語で土地を意味する)」につなげるために注意深くキュレーションされている。
メアリー・フィルポッツ・マクグラスは、初期の仕事からアロハからの贈り物を常にプロジェクトやクライアントに提供してきた。レイ、アート、家具、在来の植物や草などのいずれであっても、地元の要素や職人技にまつわる物事を折に触れて紹介することは、人が集まる公共スペースにそれらを導入することと同様に重要視されている。デザインによる本物のストーリーテリングは、常に同社の優先事項となっている。
ザ・リッツ・カールトン・カパルアのレジデンスと客室(マウイ島カパルア)
フィルポッツ・インテリアはザ・リッツ・カールトン・カパルアのレジデンスとゲストルームを刷新し、現代的なハワイアンデザインを通じてゲストの滞在時間を向上させることを目指した。レジデンスとゲストルームは、ザ・リッツ・カールトンの特徴的な洗練されたテイストに、現代的な家具とその場所の真正性を吹き込んでいる。
再考された仕上げと調度品は、マウイの緑豊かな山々や熱帯雨林の素朴な色調から紺碧の海のブルーまで、ホテルのユニークな立地からインスピレーションを得ている。次に、エレガントな新しい家具とシームレスに混ざり合う豊かな広葉樹がカラーパレットを補完し、洗練された威厳がありながらカジュアルに住みやすい生活空間を作り出している。
フォーシーズンズ コオリーナ(カポレイ、オアフ島)
もともとエドワード・キリングスワースが1993年にJW・マリオット・イヒラニとして設計し、歴史的な王室の資産でもある施設を、活気に満ちた優雅なフォーシーズンズリゾート・コオリーナに改装。ホテルの品質をブランドの代名詞であるラグジュアリーのレベルに引き上げることを目標とし、ハワイのホスピタリティー、温かさを称賛しながら、より住宅的なスケールと個性を生み出した。
ホテル・ワイレア ザ・バードケージ・バー (ワイレア、マウイ島)
ハワイ初のルレ・エ・シャトーの豪華な大人専用のリゾートで、マウイ島南部の海岸線を見渡す非常にユニークなホテル・ワイレアの新しいバーとラウンジ、ザ・バードケージ・バーをデザイン。フィルポッツは、長年のパートナーである創設者ジョナサン・マクマナスと協力し、以前十分に活用されていなかった大規模なロビーを活用。バーの名前にふさわしい、鳥が常に飛び交うようなスペースをデザインした。
大きな鳥かごのような照明器具が雰囲気を演出し、マウイ・カスタム・ウッドワークスによる手作りのバーがスペースを活性化させている。チームは、ニューヨークやヨーロッパの国際的な都市のバーやレストランの魅力からインスピレーションを得て、時代を超越した魅力的なラウンジを作成した。宝石調のテキスタイル、大胆なプリント、テクスチャー、および孔雀の椅子や鳥の足のテーブルなどの家具が魅惑的な雰囲気を醸し出している。
ロイヤル ハワイアン リゾート (ワイキキ、オアフ島)
フィルポッツ・インテリアは、ハワイの象徴的な「ピンク色の宮殿」であるロイヤル・ハワイアンの改装に、その特徴的な「場所の感覚」でアプローチした。ホテルの豪華な伝統と特徴的なスタイルからインスピレーションを得て、思い出に残る体験とハワイへのつながりをゲストに提供する素晴らしいインテリアで、新旧のワイキキの架け橋を創造した。
往年のワイキキで訪れた人が感じた到着時のスリルは、パブリックスペースに再現され、ホテルの象徴的なピンク色の外観の温かみが、豪華な基準とクラシックな形でゲストを内側に引き込んでいく。またこの地域の特徴を活かし、ハワイのおもてなしを象徴するパイナップルのモチーフを大きくした壁、在来植物のアート、ホテルの建築図面を含め、ロイヤル・ハワイアンならではの体験が表現されている。
クイーン カピオラニ ホテル (ワイキキ、オアフ島)
クイーン・カピオラニ・ホテルは20世紀半ばのワイキキ産業ブームの間に建てられ、地元の象徴的なホテルであったが、老朽化がはっきりと現れていた。フィルポッツ・インテリアは、ホテルをより魅力的でアクティブなストリートレベルの体験を生み出せるよう改装した。
ホテルとダイヤモンド・ヘッドの景色を望む公園を結び、20世紀半ばのハワイの文化的なつながりを回顧できるよう設計した。すぐにオープンエアーのロビーに着手し、広々としたラナイスペースにカフェを備え、カクテル、ライブ音楽が楽しめるデッキバー&グリルを設置した。カフェのデザインはワイキキの伝統的な釣りの歴史からインスピレーションを得ており、釣り針の形をしたバーと船乗りをモチーフにしている。
フィルポッツ・インテリア
1960年代に設立されたホノルルを拠点とし、インテリアに島の文化を吹き込み、住宅や商業の顧客に真の場所の感覚をもたらすことで知られている。創設者のデザイナー、メアリー・フィルポッツ・マクグラスは島の豊かな遺産、風景、精神を利用して、象徴的で記憶に残るデザインを作成し続けた。現在フィルポッツ・マクグラスの娘であるマリオン・フィルポッツ・ミラーの指揮の元、素晴らしいデザインを生み出している。