パブリックアワード部門ポピュラー・チョイス・ウィナーを受賞
2022年6月6日ニューヨークのアーキタイザー社より、アーキタイザーA+ アワード2022の受賞者が発表された。アーキテクチャー・フォー・グッド部門のパブリックアワードは、国立教員養成学校(NTC)ウガンダプロジェクトが受賞。ウガンダのカリオとムベンデという町の近くにある2つの教育拠点で、大規模なキャンパスの改修と施設の新設を行うもので、2,000名の学生を対象としたこのプロジェクトは24棟の改修棟と8棟の新築棟からなり、学生や教師の住居、教室棟、エネルギー効率の高いキッチン、スポーツ施設、持続可能エネルギー施設、廃棄物リサイクルシステム、食料生産施設などが含まれる。
このプロジェクトは、オーブントゥ・コンサルティング、ダスダ、bkvvアーキテクツ社の共同事業の一環として実現された。この大規模プロジェクトのクライアントは、ウガンダの教育・スポーツ省、およびベルギー開発庁で、ベルギー政府からも資金提供を受けている。NTCはウガンダの教育を改善するための野心的な国家プログラムの一部であり、NTCのキャンパスでの生活と学習は将来、教師がよりよいウガンダの模範となることである。
A+アーキタイザー・アワード
A+アワードは、世界最高の事務所の仕事を称え、時の試練に耐える建築を創造しようと努力する先駆的な建築家やデザイナーの仕事にスポットライトを当てるもの。100カ国以上から寄せられた5,000件の応募の中から、定評ある審査員団が各賞のカテゴリー内で5名のファイナリストをノミネート。ポピュラーチョイス・アワードは投票者によって40万票以上の投票が行わた。アーキテクチャー・フォー・グッド部門は、コミュニティと協力して危機に対処するためにスキルと情熱を注いでいるプロジェクトや建築家を称えるものである。
ナショナル・ティーチャーズ・カレッジ・ウガンダ
落成式では国務大臣とベルギー大使が「気候対応設計のためのマニフェスト」に署名し、NTCはウガンダで初めてベストプラクティス事例として認められたプロジェクトとなった。このプロジェクトは、ウガンダの施設開発において参考となるものであり、屋内と屋外のスペース、そして地元の職人による技術の応用や地元の生物多様性の保護や水の保全など、緑地環境の向上にも力を入れている。竹や土レンガなど、地元で手に入る材料を使い、地域住民の参加を促し、シンプルで快適な建築は、自然採光、換気、パッシブクーリングを最適化し、室内温度が比較的低い温熱快適空間を実現している。同時に、低コストでのメンテナンスが可能で、プロジェクトコストや実施期間のコストを削減できることも特徴であり、全館とも室内温度が低いため、空調設備が不要となっている。
DASUDAについて
DASUDAは、Dutch Alliance for Sustainable Urban Development in Africa(アフリカにおける持続可能な都市開発のためのオランダ同盟)の略称。物理学者、経済学者、生態学者、エンジニア、建築家、ランドスケープデザイナー、都市デザイナー、プランナーなど、ヨーロッパとアフリカの多くの専門家が共同で設立した財団。
bkvvアーキテクツについて
bkvvアーキテクツは場所のエネルギーを発見し、それを空間的な解決策に変換している。気候変動に配慮した建築の実現に焦点を当てつつ、学習と好奇心を活用して疑問に対する答えを提供する価値と機会を認識している。