歴史的都市デルフトにおける先駆的なプロジェクト

「ニュー・デルフト・ブルー」はオランダの歴史的都市デルフトにおける先駆的なプロジェクトで、Studio RAPによってデザインされた。3Dクレイプリンティング、コンピュテーショナル・デザイン、職人による釉薬を融合させることで、「ニュー・デルフト・ブルー」プロジェクトが21世紀における陶磁器装飾の新たな建築的可能性を展開することを期待している。

New Delft Blue - Studio RAP
Photo credit: Riccardo De Vecchi

デザイン

大規模な都市再開発「ニュー・デルフト」の一部であるポルト・ミースターズ住宅棟の緑豊かな共同中庭は2つの大きな入口ゲートに囲まれ、幅約4メートル、高さ約8メートル、奥行き約12メートルのゲートは大きな共用階段を覆っている。「ニュー・デルフト・ブルー」のゲートは伝統的なデルフト・ブルーの磁器皿からインスピレーションを得ており、中国や日本の東洋的なデザインの模倣から、現代的なオランダのデザインへと何世紀にもわたって変化してきた背景を感じることができる。

革新性

2つのゲートを覆う約3000枚のユニークなセラミック・タイルは3Dプリントされたもので、豊かでユニークな現代的セラミックの創作を体現している。3Dパターン・デザインにアルゴリズム的アプローチを用いることで、タイルの形状を生成する際に問題となる条件（最大張り出し、幅、高さ、奥行き、収縮、内部支持構造）が考慮された。深い青色はデルフト・ブルー磁器や周辺の運河とのつながりを反映し、建物のアースカラーのレンガ造りと心地よいコントラストを生み出している。これらの組み合わせは、デルフトのユニークなアイデンティティを現代的な方法で具現化し、アルゴリズムでデザインされた自然からインスピレーションを得たブルーのパターンで歴史に言及し、最先端のデザインと3Dプリント技術を使用する事で、知識の都市としての今日のデルフトに言及している。

スタジオRAPのアプローチ

Studio RAPは建築環境の設計と実現プロセスにおける建築家の重要な役割を取り戻すことを目的として、最先端のデジタルデザインとファブリケーション技術を組み合わせることで、建築にオーダーメイドの装飾を取り戻すことを目指す。

New Delft Blue - Studio RAP
Photo credit: Riccardo De Vecchi

スタジオ・ラップ

常に進化し続ける建築の領域において、ロッテルダムを拠点とする建築家チーム、スタジオRAPは、建築家の伝統的な役割を再構築している。建築と起業家精神、製造、職人技を情熱的に融合させ、建築デザインにオーダーメイドのディテールを再導入。プロジェクトはビジョンを具現化し、既成概念に挑戦する新鮮な建築スタイルを提示している。スタジオRAPの最終的な目標は建築の革新を通して世界にさらなる興奮と多様性を吹き込むことである。