広大な地域の各コミュニティ願望と文化を表現する最新標準設計のチブガモ・チャペス空港新ターミナルビル

チブガモ・チャペス空港はイーユー・イストチー・ジェームズ湾地域のゲートウェイであり、チブガモー、シャペ、オジェ・ブグムーの各コミュニティを含む広大な地域にサービスを提供している。旅客数の増加に伴い新しいターミナルビルの建設が必要とされた。新ターミナルはシームレスな乗客体験を提供し、サービスを提供するコミュニティの願望と文化を表現するために最新標準に従い設計された。

New terminal building at Chibougamo Chapés Airport with a state-of-the-art standard design that represents the aspirations and culture of each community in the vast region.

Photo credit: Maxime Brouillet

この空港は航空機の利用だけでなく、貨物輸送、医療搬送、森林消防活動にも利用され、これらのサービスはすべて継続的に維持される必要があり建設中はそれらが大きな課題となった。新ターミナルは綿密な計画と建設段階、慎重な用地選定により建設期間中は既存ターミナルで業務を継続し、新ターミナル開業後は空港の駐機場を拡張することができた。

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Photo credit: Maxime Brouillet

新ターミナルビルはガラス張りのコンコースを挟んで2つの低い建物で構成されている。コンコースは乗客のための中心的なハブとして機能しターミナルのすべての機能とサービスをつなぎ、それらが容易に識別できアクセスできることを可能としている。また駐車場から滑走路までが視覚的につながるように設計されている為、待機中の旅行者は滑走路で自分の飛行機を見ることができ、他の旅行者はピックアップ&ドロップオフゾーンを観察することがでできる。この流動性は屋内から屋外へ移動する際の素材や照明処理の一貫性によってさらに強化されている。外観のファサードにはクリー語とフランス語で空港の名前が記され、エマニュエル・ジェンドロンのアートワークが飾られ、木製のカーテンウォールの透明感の中に巧みに組み込まれてイーユー・イストチー地方へのオマージュを表現している。ジェンドロンの作品はシブガモ、シャペ、ウジェ・ブグムーの各コミュニティの代表者を含む委員会によって選ばれた。

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Photo credit: Maxime Brouillet

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Photo credit: Maxime Brouillet

北方林に近いという特徴を生かし、ターミナルは地元産の木材、特にグルラムやCLT(クロスラミネートティンバー)構造スラブなどの高性能製品を使ったデザインとなっている。待合室は3面を木製のカーテンウォールで仕切られ、その上に南向きのクレストリーを形成する高い屋根がある。屋根の構造はエンジニアードウッドとスチールを組み合わせたもので、12mに及ぶCLTパネルは両端を木製の柱で支え、中央と両端を高強度スチールロッドで補強されている。

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Photo credit: Maxime Brouillet

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Photo credit: Maxime Brouillet

この混合構造システムによって大きなスパンが可能となり、開放的な公共空間が実現した。またこのシステムにより屋根の厚みを減らすことができ、余裕のあるオーバーハングにより室内の遮光対策にも貢献している。カーテンウォールは自然光を取り入れることでエネルギー効率を向上させ、構造的なブレーシングに貢献しクレストリーは耐力軸として機能するため、構造梁が不要となる。このミニマムで高効率なアプローチはこのプロジェクトのデザインの基本理念である透明性、明るさ、快適性、機能性を強調するものである。

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Photo credit: Maxime Brouillet

EVOQ社について

EVOQ社は質の高い介入と敷地に配慮した設計ソリューションで知られる、受賞歴のある建築事務所で1996年に設立された。2016年同社は法人化し、エボック・アーキテクチャとなった。EVOQ社の強みは専門知識の広いスペクトルにあり、同社はモントリオール、オタワ、トロント、イカルイトにあるオフィスの協力的なネットワークを運営している。遺産保護、計画、イヌイットやファースト・ネーションとの共同作業、現代住宅や施設のデザイン、景観建築を専門とする150人以上のプロフェッショナルを擁している。

ARTCAD社について

ARTCAD社は30年以上にわたり、あらゆるタイプの建築的介入を効率的かつ確実に実行するためのリソースとノウハウを培ってきた。機能性、美観、環境への配慮は、プレデザインから建設に至るまで、すべてのプロジェクトの中核を成している。アビティビ・テミスカミング地方を拠点に主に48度線の北側、行政区08と10で活動している。顧客のニーズを深く理解し、北部での長年の活動で培った多様な経験をもとに、カスタマイズされたソリューションを提供している。ARTCAD社が手がけるすべてのプロジェクトは最初のスケッチから最終的な完成まで、一貫して建築プロジェクトマネージャーが直接携わり一貫したアプローチと全体のビジョンや設計意図に対する高い感度を保証している。