セルフケアをテーマにしたアート展 自分と向き合うための表現を紹介
東京都渋谷公園通りギャラリーは、展覧会「心の声をきく わたしを生きる術」を2026年6月27日から8月30日まで開催する。本展は「セルフケア」をテーマに、心の声に耳を傾ける行為を軸とした表現を紹介する企画である。アール・ブリュットと現代美術の作家4名を取り上げ、日常や自然との関係性の中で生まれる創作を通して自己と向き合うプロセスに焦点を当てる。渋谷の都市環境の中で、静かに思考を深める場を提示する展覧会となっている。
セルフケアと表現を結ぶ多様な作品
展示では、描く行為そのものを楽しむドローイングや、日常風景を捉えた映像インスタレーション、日記やエッセイといった記録的表現などを紹介する。これらの作品は、マインドフルネスやジャーナリングといった実践とも接続し、鑑賞者に自分自身と向き合う視点をもたらす。鑑賞体験を通じて、心地よさや内省を促す構成が特徴である。
都市の中で静けさを生む展示空間
会場は丸みを帯びた什器やカーテンによって緩やかに区切られ、やわらかな雰囲気の空間が形成される。各展示室にはベンチが設置され、作品と向き合いながらゆったりと過ごすことができる。渋谷の喧騒から離れ、自分自身と対話する時間を提供することを意図した空間構成となっている。
出展作家紹介
稲田萌子 INADA Moeko
1985年、京都府生まれ。2003年より、クラフト工房 La Mano(東京都町田市)に所属。色鉛筆のこすれる音や感触を楽しむように、時に童謡を口ずさみながら、ゆったりとしたリズムに身を任せるようにして円や線を描く。その時々の好きな動きをもとにした、稲田の感覚的な心地よさによって生まれる作品は、まるで繭のような柔らかさと光をたたえている。
植本一子 UEMOTO Ichiko
1984年、広島県生まれ。現在、東京都を拠点に活動。2003年、キヤノン写真新世紀で優秀賞を受賞し、写真家としてのキャリアをスタートさせる。2013年より自然光を使った写真館「天然スタジオ」を立ち上げ、一般家庭の記念撮影をライフワークとしている。写真家としての活動のほかに、自らと実直に向き合うように綴られた日記やエッセイを多数発表している。
志村信裕 SHIMURA Nobuhiro
1982年、東京都生まれ。現在、千葉県香取市を拠点に活動。武蔵野美術大学大学院映像コース修了。身近な日用品や風景を題材とした映像インスタレーションをはじめ、その場所の歴史や記憶を浮かび上がらせるサイトスペシフィックな作品を数多く手がける。近年はドキュメンタリーの手法を取り入れ、見落とされてきた社会問題や歴史に焦点をあてる映画 / 映像作品を制作している。
吉田雅美 YOSHIDA Masami
1982年、東京都生まれ。社会福祉法人しらかばの会 たてしなホーム(長野県北佐久郡立科町)で工芸班に所属。工芸班の活動の時間には、好きな文章の朗読を行う。また、日記を書くのが幼少期からの習慣という吉田は、食事や作業の後、自身の行動をノートに記録する。日記には、その日にあったことや食べたものについて記されており、吉田の日常が浮かびあがってくるものである。
関連イベント
会期中にはアーティストトークなどの関連イベントを予定している。
アーティストトーク
- 日時:2026年7月12日 14:00〜15:30
- 会場:東京都渋谷公園通りギャラリー
- 参加費:無料
同時開催プログラム
交流スペースでは参加型プログラム「ちぐはぐの壁 あの線、この線、だれの線?」を実施。来場者が自由に線を描くことで、偶発的な表現の広がりを体験できる内容となっている。
ギャラリー
東京都渋谷公園通りギャラリーは、アール・ブリュットをはじめとする多様な表現を紹介することで、包摂的な社会の実現を目指す文化施設である。アートを通じて新たな価値観に触れる機会を提供している。
心の声をきく わたしを生きる術
| 会期 | 2026年6月27日から8月30日まで |
| 会場 | 東京都渋谷公園通りギャラリー |
| URL | https://tinyurl.com/4j7ztz93 |

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