「漫画のアカデミー賞」米アイズナー賞4度受賞のホラー漫画家 伊藤潤二、初の著書が発売
世界中のクリエーターが注目するホラー漫画家の伊藤潤二が、6年をかけて完成させた『不気味の穴――恐怖が生まれ出るところ』を2023年2月21日(火)に発売された。『富江』『うずまき』『首吊り気球』などの作者として知られ、「漫画のアカデミー賞」と呼ばれる米アイズナー賞を4度も受賞した伊藤は、今年、仏アングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞も獲得し、1月からNetflixで配信されている「伊藤潤二『マニアック』」も絶好調。そんな伊藤が初めて自らの頭の中をさらけ出すファン待望の1冊である。
アメリカやフランスをはじめ世界中で大人気の伊藤潤二。本書は漫画家デビュー35周年を迎えた今、初めて自らの頭の中をさらけ出すファン待望の1冊。1章、2章は自伝で構成。ホラー漫画に魅了された幼少期、SF小説に熱中した中学時代。歯科技工士として働き出したものの将来の不安から漫画賞に応募し、漫画家になるまでを書いている。3章、4章、5章はいかにして世界が注目する漫画家になったのか。奇想天外なアイデアやストーリーの生まれる瞬間、個性的なキャラクター作りについてなど、仕事術を語っている。
目次
1章 人の評価はいらない:「ホラー漫画の神様、現る」「『残酷さ』とは何か?」「漫画でもアートをやれる」他
2章 迷い、不安、焦り――意味があるからやるのではない:「映画から学んだこと」「無力感と限界の中での決意」「恐怖に必要な、死の『重さ』」他
3章 [発想]奇想天外な「ストーリー」が生まれ出るとき:「クラマックスから考える」「アイデアの元は『違和感』」「嘘をつくのは、ひとつだけ」他
4章 [創造}愛すべき「キャラクター」が生まれ出るとき:「キャラクターの設計方法」「ホラーは『対比』が大切」「恐怖の対象は『自分の中』にある」他
5章 [制作]一度見たらトラウマになる「絵」が生まれ出るとき:「恐怖の表情は『陰』と『目』で作る」「『あり得ない組み合わせ』で安全を壊す」他
伊藤潤二プロフィール
ホラー漫画家。1963年、栃木県に生まれる。保育園児(5歳)の頃から、楳図かずお、古賀新一らの怪奇マンガに熱中し、自らも怪奇マンガを描き始める。1986年、投稿した「富江」が第1回楳図かずお賞にて佳作入選(第一席)しデビュー。歯科技工士という異色の経歴を持つ。2019年、『フランケンシュタイン』がアイズナー賞で最優秀コミカライズ作品賞を受賞。2021年、第33回アイズナー賞で最優秀アジア作品賞に『地獄星レミナ』、Best Writer/Artist部門に同作と『伊藤潤二短編集 BEST OF BEST』の2作品が選ばれる。2022年、第34回アイズナー賞で最優秀アジア作品賞に『死びとの恋わずらい』の英語版が選出され、4度目の受賞となった。2023年、第50回アングレーム国際漫画祭で、特別栄誉賞を受賞。他に、代表作『うずまき』『ギョ』『憂国のラスプーチン』などがある。
『不気味の穴――恐怖が生まれ出るところ』書籍概要
著者 | 伊藤潤二 |
定価 | 2200円(税込) |
発売日 | 2023年2月21日 |
ISBN | 978-4022515636 |
仕様 | 304ページ、 2 x 12.8 x 18.8 cm |
出版 | 朝日新聞出版 |