日本初公開となるポートレート作品など旧作から新作を含めた作品群を展示
√K Contemporary(ルートKコンテンポラリー )では、2022年8月27日(土)から9月24日(土)まで、旧東ドイツ出身、NY在住のアーティスト、コーネーリア・トムセンの個展「Unfolding Ratio」を開催する。日本で三回目の個展となる本展では、コーネーリアの代表的なStripesシリーズをはじめ、ミニマルなモノクロームのGRシリーズ、そして日本初公開となるポートレート作品等、旧作から新作を含めた作品群を展示する。
写実主義が主たる表現手法であった旧東ドイツに生まれ育ったコーネーリア。初期には具象を描いていたが、東西ドイツの統合を経て初めて抽象表現に出会う。その後はStripes等の繊細でアイコニックな抽象作品を生み出していく。抽象画家として知られるコーネーリアが具象へと回帰し、近年、このポートレートシリーズを描いてきた。初期の具象とは異なり、写実ではなくある種の抽象性を併せ持つ作品群には、抽象作品に見える「光」が存在し、新たな芸術表現へと昇華している。コーネーリアの視線は自然の情景や自身の心象から現代を生きる女性へとむけられ、対峙し、その内面にある強さと儚さ、静かな目の中に宿る独立心やアイデンティティーを私たちに訴えかけてくる。
その他、ミニマルな2色の対比が緊張感を生み出すGRシリーズ、水彩のグラデーションが風に揺れる木の葉や雨音を想起させるGardenシリーズ、そして油彩の間にメタリックな輝きが見える銅板作品など、多様なコーネーリアの画業の変遷を観ることができ、さらに、NFT作品も出展される展示会となっている。
コーネーリア・トムセン / Cornelia Thomsen
1970年ルドルシュタット生まれ。マイセン窯にて絵付師として働く。アカデミー・オブ・アート・アンド・デザインにて学んだ後、現在はニューヨークで活動。旧東ドイツで生まれ育ったコーネーリア・トムセンは、当時の政府が推奨していた社会主義リアリストの作品や、育った土地の古城で見たバロック絵画、絵付師として働いていたマイセン窯の美意識に大きな影響を受ける。1989年のドイツの再統一で東西の行き来が可能になった事で、彼女は芸術への思いを強くし、画家を志すようになる。マイセン窯を退職し、ダルムシュタットのThe Pohle-Stiehl Art Schoolにて学び、その後オッフェンバックのThe University of Art and Designへ進学。現在はニューヨークを拠点とし、アメリカ国内やヨーロッパなどで個展を開き作品を発表している。
√K Contemporaryについて
√K Contemporaryは、次世代を担う優れたアーティストを広く紹介していく場として、2020年3月神楽坂にオープン。先人達の芸術思考を学び、その審美眼を以って主に戦後から現代、そしてコンテンポラリーアートを幅広く紹介するこのギャラリーには、時空や国境を越えて芸術の本質に触れる場を作りたい、という想いが込められている。
コーネーリア・トムセン「Unfolding Ratio」開催概要
作家 | コーネーリア・トムセン / Cornelia Thomsen |
会期 | 2022年8月27日(土)から9月24日(土)まで |
会場 | √K Contemporary (ルートKコンテンポラリー) |
入場料 | 無料 |