あざみ野フォト・アニュアル

横浜市民ギャラリーあざみ野はあざみ野フォト・アニュアルとして企画展とコレクション展を開催する。企画展は写真表現の現在を切りとる「田附勝 KAKERA きこえてこなかった、私たちの声展」、コレクション展は「ダゲレオタイプ―記憶する鏡」展。縄文以来のシャーマニズムが息づく東北の風土やこの地に暮らす人々の生活や文化を撮り続けてきた田附勝が、2012年から撮影を始めた「KAKERA」作品を企画展として展示する。他方、コレクション展では、写真誕生から180年を記念して、世界初の写真術であるダゲレオタイプをテーマに所蔵するコレクションから約100点を紹介。写真が黎明期からどのように伝わり、受容された様子を写真、カメラ、撮影器具及び関連資料を通じて探る。

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田附勝 あけましておめでとう 技術の日産 1964年(昭和39年)1月1日 朝日新聞 撮影:2018年11月26日 奈良県奈良市

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キャロライン・オルムステッドの肖像 ジョン・アダムス・ホイップル 1855年

あざみ野フォト・アニュアルは、商業写真発祥の地である横浜で、関連イベントや展示でにぎわう写真映像月間「フォト・ヨコハマ2020」のパートナーイベント。世界初の写真術「ダゲレオタイプ」と今注目されている写真家田附勝の作品という、新古両方の写真表現を同時に鑑賞できる展示内容となっている。

田附勝 KAKERA きこえてこなかった、私たちの声展

田附勝は1974年生まれ、2012年に写真集『東北』で写真界の芥川賞と形容される木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家。写真集には『DECOTORA』、『その血はまだ赤いのか』、『KURAGARI』、東出昌大写真集『西から雪はやって来る』などがある。本展の「KAKERA」シリーズは、各地の博物館の収蔵庫や発掘現場で保管されていた膨大な資料である縄文土器のかけらを、箱のなかで中敷きや梱包として使用されていた新聞と共に、保管状態そのままに撮影したもの。

横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 ダゲレオタイプ -記憶する鏡

1839年8月19日にフランス学士院で発表された世界初の実用的写真撮影法であり、銀盤写真とも呼ばれる世界初の写真撮影法であるダゲレオタイプをテーマに収蔵コレクションから約100点を展示する。ダゲレオタイプはフランスのルイ・ジャック・マンデ・ダゲールによって発明され、当時はヨーロッパを中心として写真の発明に向けて様々な試みが行われていたが、露光時間を数時間から20〜30分に短縮したその発表は衝撃をもって迎えられた。ダゲールによって撮られた写真《Boulevard du Temple》はおそらく初めて人物をおさめた写真としても有名。ダゲレオタイプは銀メッキした銅板に写す写真撮影方法で、鏡面のように磨かれた銀板に、光によって写しだされたイメージは「記憶する鏡」とも呼ばれた。

田附勝 KAKERA きこえてこなかった、私たちの声展

会期2020年1月25日(土)~2月23日(日)  10:00-18:00  ※1月27日(月)休館日
会場横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室1
写真家田附勝(たつきまさる)
料金入場無料
主催横浜市民ギャラリーあざみ野(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)

ダゲレオタイプ-記憶する鏡

会期会期2020年1月25日(土)~2月23日(日)  10:00-18:00 ※1月27日(月)休館日
会場横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室2
料金入場無料
主催横浜市民ギャラリーあざみ野(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)