アートギャラリー・美術館展覧会のおすすめ情報
2022年11月開催のアートギャラリー・美術館のおすすめの展覧会について、開催スケジュールのほか、展示作品などの詳細情報をお伝えします。なお、最新の開館情報については、各美術館・博物館のホームページなどご確認のうえ、ご来館ください。
大阪中之島美術館・国立国際美術館共同企画「すべて未知の世界へ ー GUTAI 分化と統合」
大阪中之島美術館と国立国際美術館では、共同企画となる展覧会「すべて未知の世界へ ー GUTAI分化と統合」を開催。2022 年 2月に開館した大阪中之島美術館と、道路一本を隔てて隣り合う国立国際美術館。具体美術協会(具体)が解散して 50 年の節目となる 2022 年、2 館同時開催という類い稀な形式で開催される本展覧会は、「分化と統合」というテーマを掲げ、新しい具体像の構築をめざします。具体美術協会は、1954 年、兵庫県の芦屋で結成された美術家集団。画家の吉原治良(1905-72)を中核に据えたこの集団は、絵画をはじめとする多様な造形実践をとおして、「われわれの精神が自由であるという証を具体的に提示」しようとした。吉原による指導のもと、会員たちがそれぞれの独創を模索した18 年の軌跡は、いまや国内外で大きな注目を集め、戦後日本美術のひとつの原点として、なかば神話化されるに至っています。
※休館日や開催時間など詳しくは各美術館ホームページを参照
上野アーティストプロジェクト2022 「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」
東京都美術館では、2022年11月19日(土)~2023年1月6日(金)の間、上野アーティストプロジェクト2022「美をつむぐ源氏物語―めぐり逢ひける えには深しな―」を開催します。「上野アーティストプロジェクト」は、「公募展のふるさと」とも称される東京都美術館の歴史の継承と未来への発展を図るために、2017年より開始したシリーズ。その第6弾となる本展は、「源氏物語」がテーマです。
平安時代に紫式部が執筆した源氏物語には、四季折々の美しい情景とともに、多数の登場人物が魅力的に描かれている。主人公の光源氏を中心に紡がれる人間模様は、現代の私たちにも通じるものがあります。読者は登場人物と自分とを重ね合わせ、物語に感情移入することができるからこそ、約1000年の間、変わらず読み継がれてきたのではないでしょうか。そして、長い間広く親しまれてきたことにより、美術工芸や芸能など他のジャンルにも影響を与え、源氏物語は時代や文化を超えて人びとを魅了してきた。本展では、絵画・書・染色・ガラス工芸という多彩なジャンルの作家を紹介します。人との出会いはもちろん、美術館で作品とめぐり逢うことも、ひとつの「えに(縁)」と言えます。人や社会とのつながり方が変化しているコロナ禍において、本展が私たちの生活を見つめ直す機会となるでしょう。
出品作家
青木寿恵、石踊達哉、高木厚人(臨池会)、鷹野理芳(日本書道美術院)、玉田恭子(日本ガラス工芸協会)、守屋多々志(日本美術院) 渡邊裕公(光風会)
- 会期:2022年11月19日(土)~2023年1月6日(金)
- 会場:東京都美術館 ギャラリーA・C
- 休室日:2022年11月21日(月)、12月5日(月)、19日(月)、29日(木)~2023年1月3日(火)
- 開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
- 夜間開室:11月25日(金)、12月2日(金)、9日(金)、16日(金)、23日(金)は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
水戸芸術館現代美術ギャラリー 「中﨑透 フィクション・トラベラー」
水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、2022年11月5日(土)~2023年1月29日(日)の間、「中﨑透 フィクション・トラベラー」を開催。
本展は、ズレをテーマにゆるやかな手法で多様な作品を制作する、美術家・中﨑透による美術館初の大規模個展。中﨑が近年展開する、インタビューをもとにした文学的インスタレーションに着目し、水戸および水戸芸術館を読み解く最新作を発表するとともに、代表作を含む旧作も取り上げ、中﨑透の全貌を紹介します。
中﨑の出身地である水戸と中﨑にとって最も身近な美術館である同館をモチーフに、水戸および同館にまつわる「もうひとつの物語」を、インタビューとリサーチを通して独自の視点から浮かび上がらせます。また、看板をモチーフとした初期作から、絵画やドローイング、過去のインスタレーションの再構成、カラーアクリルと蛍光灯による近年の立体作品まで、新旧の作品を織り交ぜることで中﨑の活動の軌跡をたどります。生い立ちから現代美術との出会い、そして美術家として活動する今へ——自叙伝的な色合いをも帯びた、出身地ならではの記念碑的な個展といえるでしょう。
- 会期:2022年11月5日(土)~2023年1月29日(日)
- 開催時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
- 休館日:月曜日、年末年始(2022年12月27日(火)~2023年1月3日(火)) ※ただし1月9日(月・祝)は開館、1月10日(火)休館
- 会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
阪中之島美術館 「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」
大阪中之島美術館では、2022年10月15日(土)から2023年1月9日(月・祝)まで、「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」を開催します。本展は、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックとアルフォンス・ミュシャが芸術の都パリで活躍した1891年から1900年までの10年間に焦点を当て、二人が共通して取り組んだ石版画ポスターを中心に紹介するもの。ロートレックは1891年に第1号ポスターとなる《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》を制作、その約3年後、ミュシャも第1号ポスター《ジスモンダ》を発表しました。これを機に、いずれも時代の寵児として活躍していきます。本展では、「よき時代(ベル・エポック)」の双璧をなす二人のポスター作家の実像に迫ります。また、わずか10年の内にこの世に送り出されたロートレックの全ポスター作品31点を一堂に紹介すると共に、当館に寄託されているサントリーポスターコレクションならではのステート違いや試し刷りの段階のものも豊かに展示する、極めて稀な機会です。
- 会期:2022 年 10 月 15 日(土)– 2023 年 1 月 9 日(月・祝)
- 開館時間:10:00 – 17:00*入場は 16:30 まで。月曜日、12/31、1/1 休館(1/2、1/9 は開館)。
- 会場:大阪中之島美術館 4 階展示室
東京都写真美術館 「野口里佳 不思議な力」展
東京都写真美術館では「野口里佳 不思議な力」展を開催する。野口里佳は1995年「写真3.3㎡(ひとつぼ)展」と1996年「写真新世紀」展でのグランプリ受賞以降、〈フジヤマ〉(1997年–)、〈飛ぶ夢を見た〉(2003年)、〈太陽〉(2005–08年)、〈夜の星へ〉(2014-15年)などの写真・映像作品を国内外の展覧会で発表し、国際的にも高い評価を受けている写真家。野口はこれまでに、水中や高地、宇宙といった未知の領域と人間との関わりをテーマにした作品を手がけてきました。近年では、日常や周囲に満ちる無数の小さな謎の探求を通して、見るものの感覚や想像を解き放つような表現を追求しています。写真と映像、ドローイングによって構成される本展は、初期作品〈潜る人〉(1995年)から最新作〈ヤシの木〉(2022年)までを出品作品に含み、時間や場所も超えていく写真の「不思議な力」に導かれるように、野口がこれまでに出会ってきた様々な現象や光景が描き出されます。その独自の作品表現に触れることは、それぞれの存在がこの世界に生きていることの意味を見つめ直し、また写真・映像のもつ「不思議な力」とは何なのかを考えるきっかけとなることでしょう。
- 会期:2022 年 10 月 7 日(金)~2023 年 1 月 22 日(日)
- 会場:東京都写真美術館 2F 展示室
- 開館時間:10:00-18:00(木・金は 20:00 まで)入館は閉館 30 分前まで
- 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館)、年末年始(12/29-1/1、1/4)※12/28、1/2、1/3 は臨時開館
東京国立近代美術館 所蔵作品展「MOMATコレクション」
2022年12月に開館70周年を迎える東京国立近代美術館では所蔵作品展「MOMATコレクション」を開催中。今回のMOMATコレクション展では、初期の重要な展覧会である「抽象と幻想 非写実絵画をどう理解するか」展(1953年12月1日~ 1954年1月20日)を振り返ります。「抽象」と「シュルレアリスム(幻想)」というモダンアートの二大潮流をめぐって構成された展覧会とは、果たしてどのような内容だったのでしょう。7室では、残された資料や記録を元に制作した再現VR を投影。8室では、「抽象と幻想」展の出品作品を中心に50年代の作品を展示しています。また、2つ目の見どころ「解体と再構築」、3つ目の見どころ「80 年代のニューフェースたち」もぜひお楽しみください。
- 会期:2021年10月12日(水)~2023年2月5日(日)
- 開館時間: 10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで
- 休室日:月曜日[ただし1月2日、1月9日は開館]、年末年始(12月28日~1月1日)、1月10日(火)
- 会場:東京国立近代美術館 所蔵品ギャラリー4階から2階
同時開催
企画展|「大竹伸朗展」2022年11月1日(火)-2月5日(日)
神奈川県立近代美術館 葉山 企画展「マン・レイと女性たち」「特集:マン・レイと日本」
神奈川県立近代美術館 葉山では、2022年10月22日(土)から、企画展「マン・レイと女性たち」を開催する。20世紀を代表する芸術家マン・レイ(1890-1976)。絵画やオブジェ、映画などジャンルを超えて活躍した彼は、1920年代~30年代に成熟期を迎えつつあった写真という新しいメディアの可能性を追求しました。本展は、とりわけマン・レイのまなざしが捉えた「女性たち」に光を当て、240点余の作品から創作の軌跡を追うもの。また、企画展「マン・レイと女性たち」に際し、当館独自の小展示として「マン・レイと日本」を特集します。マン・レイの幅広い活動は、彼がニューヨークからパリに移った1920年代後半から 日本でも紹介され、戦前の前衛芸術家たちに影響を与えました。 日本におけるマン・レイの受容の一端を辿ると同時に、戦後、マン・レイのモデルもつとめた彫刻家の宮脇愛子(1929-2014)も紹介します。
- 会期:2022年10月22日(土)〜2023年1月22日(日)
- 会場:神奈川県立近代美術館 葉山(展示室1、2、3a)特集の開催は展示室4
- 開館時間:午前9時30分–午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休館日:月曜日(1月9日を除く)、2022年12月29日~2023年1月3日
愛知県美術館・愛知県陶磁美術館 移動美術館2022「もじもえもじも」
愛知県美術館と愛知県陶磁美術館は、より多くの県民の皆様に美術に親しんでいただくため、両館のコレクションを県内各地に運んで展示する「移動美術館」を開催。西尾市岩瀬文庫で開催の今回は、同文庫が幅広い分野と時代の蔵書を有する書物のミュージアムであることにちなみ、「もじもえもじも」と題して、文字や書物にまつわる作品を展示します。両館から紹介するのは、文房陶磁や刻字陶磁、小出楢重やクルト・シュヴィッタースらの絵画、ジョルジュ・ブラックやパブロ・ピカソらの版画、近衛信尹や吉川霊華らの日本画、荒木高子や西村陽平、福田尚代らの立体作品等。そして、これらの作品に対応する西尾市岩瀬文庫の古典籍を展示します。
- 会期:2022年9月17日(土)〜11月27日(日)
- 会場:西尾市岩瀬文庫 企画展示室
- 時間:9:00-17:00
- 休館日:毎週月曜日(10月20日(木)、11月17日(木)
- 観覧料:無料
国立新美術館「NACT View 01 玉山拓郎 Museum Static Lights」
国立新美術館では2022年より新規事業として美術館のパブリックスペースを使った小企画シリーズ「NACT View」を開催します。黒川紀章が設計した建築は、スペクタクルでありつつ、細部にまで意匠が凝らされています。多くの人が憩い、通り抜ける広場のようなパブリックスペースで、多くの方々に楽しんでもらえるよう、若手から中堅の美術家、デザイナー、建築家、映像作家を招聘し、現代の多様な表現を紹介します。
その第1回目には既存の空間を見知らぬ風景に変容させることを得意とする玉山拓郎による、新作インスタレーションをエントランスロビーにて展示。これまで、玉山は日用品や家具といった既製品や鮮烈な色彩を放つ蛍光灯を組み合わせることで、空間自体を体感させるような作品制作を行ってきました。今回の展示では高さ16m、8mの逆円錐形をした、美術館ロビーのなかでも中心的な存在感を放っている2つのコンクリートコーンに着目。玉山はこのコーンの形状をモチーフとして扱い、美術館の空間全体にまで意識を促すような効果を及ぼす光の作品を生み出します。
- 展示期間:2022年9月14日(水)~12月26日(月)毎週火曜日休館
- 公開時間:美術館の開館時間に準ずる
- 展示会場:国立新美術館 1Fロビー
- 観覧無料
尾道市立大学美術館 稲川豊 個展「符と思う|eASY mECHANISM」
MOU 尾道市立大学美術館では本学美術学科油画コースの准教授、稲川豊による個展「符と思う| eASY mECHANISM」が、2022年11月12日(土)から12月25日(日)まで開催されます。本展において稲川は、新作のビデオ作品、非物質的表皮としてのサテン・プリント、作者の意図を歪曲するスカルプチャー、再制作されたペインティングなどを用い、詩的な概念展開図の視覚化を試みます。11月12日にはアーティストトークが企画されています。
- 会期:2022 年11 月12 日(土)〜 12 月25 日(日)
- 休館日:水木休館(祝日除く)
- 会場:尾道市立大学美術館
- 時間:10:00〜18:00
- 観覧料:無料
世田谷・生活工房ギャラリー「岡本仁の編集とそれにまつわる何やかや。」
世田谷区の公共文化施設「生活工房」にて、展覧会「岡本仁の編集とそれにまつわる何やかや。」が、2022年10月29日(土)から2023年01月22日(日)まで開催されます。岡本仁は、雑誌の編集やエッセイの執筆、展覧会の監修等を通じて、美術、デザイン、映画、音楽など、幅広い分野にむけられた興味関心を独自のスタイルで紹介してきました。その活動を一つの肩書でとらえるのは困難ですが、様々な事物を独自の文脈でつなぐという意味において、そこに共通してみられるのは「編集」的行為といえます。
- 会期:2022年10月29日(土)~2023年1月22日(日)※月曜休み(祝日は除く)
- 会場:生活工房ギャラリー(三軒茶屋・キャロットタワー3階)
- 開館時間:9:00~12:00
- 観覧料:無料 ※関連イベントは有料
GINZA SIX 「Saf Gallery」 ウクライナ支援企画 ウクライナ人アーティストによる作品を展示
次世代型のアート発信を行うSynchroArt Foundationがウクライナ人アーティストをサポートし、GINZA SIX 「Saf Gallery」にてウクライナ支援企画としてウクライナ人アーティストによる作品を2022年11月1日から11月4日まで展示します。同期間中展示する作品は、2022年7月29、30日の2日間当ギャラリーで開催されたウクライナ支援アートオークションに出品された作品及び、国立新美術館「二科展 祈りを込めて」に展示されたウクライナ人アーティスト作品群。
- 会期:2022年11月1日(火)~11月4日(金)
- 会場:GINZA SIX「Saf Gallery」
- 開館時間:10:30~20:30
- 定休日:無休
リクルート クリエイションギャラリーG8「日本のアートディレクション展2022」
リクルートが運営する銀座のクリエイションギャラリーG8とギンザ・グラフィッ・ギャラリーにて、日本の広告やグラフィックデザインの最先端の動向を反映する公募展「日本のアートディレクション展2022」が、2022年11月1日(火)から30日(水)まで開催されます。ADC(東京アートディレクターズクラブ)は1952年に結成され、現在、日本を代表するアートディレクター82名により構成されています。この全会員が審査員となって行われる年次公募展が日本のアートディレクション展(旧称:ADC展)で、ここで選出されるADC賞は、日本の広告やグラフィックデザインの先端の動向を反映する賞として、国内外の注目を集めています。
- 会期:2022年11月1日(火)〜11月30日(水) ※日曜・祝日休館
- 会場:リクルートクリエイティブセンター クリエイションギャラリーG8(一般作品)/ギンザ・グラフィック・ギャラリー(会員作品)
- 開館時間:11:00~19:00
- 入場料:無料