宇宙開発と建築構造の横断する取り組みを明かす
現代アートのコレクターズミュージアム「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」で現在開催中の展覧会「感覚する構造 - 力の流れをデザインする建築構造の世界 -」に関連して、 JAXA(宇宙航空研究開発機構)の 春山純一と構造家 佐藤淳による特別講演会「月に棲む」が同ミュージアムで2024年1月27日(土)15:00より開催される。両氏が宇宙開発と建築の分野を横断する取り組みについて語る。講演会の様子は公式YouTubeでもライブ配信される。
現在WHAT MUSEUMで開催中の「感覚する構造 - 力の流れをデザインする建築構造の世界 -」では、建築の構造デザインがフォーカスされており、模型を介してその理解を深めることができる。薬師寺や白川郷といった歴史的な建築物から、建築家・磯崎新、伊東豊雄、妹島和世+西沢立衛/SANAAらによる現代建築の構造デザインまで、40点以上の構造模型を展示。さらに、構造デザインが宇宙空間にどのように応用されているのかを取り上げ、JAXAと構造家 佐藤淳らによって共同開発されている月面構造物も紹介している。
感覚する構造 - 力の流れをデザインする構造デザインの世界 -
人類は地震力や風力をはじめ自然の力が及ぶ世界に生き、さらには地球という重力空間において、建築における力の流れをどうデザインしてきたのか。そうした力の流れや素材と真摯に向き合い、技術を駆使し、建築の骨格となる「構造」を創造してきたのが構造デザインの世界である。「建築家」と構造をデザインする「構造家」の協働により数々の名建築が生み出されているが、構造家や構造について詳しく紹介される機会は多くはない。構造家は数学や力学、自然科学と向き合い、計算と実験、経験を積み上げた先に、やがて力の流れが自身の中に感覚化し感性を宿すといわれている。このことから、本展では鑑賞者自身が構造模型を通して、構造デザインという創造行為の可能性とその哲学を体感できる機会を提供している。
春山純一
宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所助教。専門は惑星科学。京都大学大学院 理学博士号取得修了。宇宙開発事業団で月探査計画(後の「セレーネ(かぐや)計画」)の立ち上げに参加し、地形カメラの開発リーダーも務めた。月の火山活動や極域に関する研究でScience誌などに学術論文掲載多数。月の縦孔の発見で世界的に知られる。現在、小惑星探査「はやぶさ2」、ヨーロッパ‐日本共同による木星氷衛星探査「JUICE」などの計画にも参加するほか、月の縦孔・地下空洞直接探査(UZUME)計画の実現を目指している。
佐藤淳
東京大学准教授、スタンフォード大学客員教授、佐藤淳構造設計事務所技術顧問。東京大学大学院修了。1995〜1999年木村俊彦構造設計事務所勤務。2000年佐藤淳構造設計事務所設立。2021年JAXA宇宙探査ハブ共同研究にて月面基地/火星基地の本格的開発開始。2022年〜国交省+文科省+内閣府「宇宙建設革新プロジェクト(スターダストプログラム)」のひとつとして月面基地を開発中。近年の作品に、Vijversburg Visitor Center、Sunny Hills in Aoyama、新白島駅、直島パビリオン、高田東中学校、宮野森小学校。2009年地域資源活用総合交流促進施設で日本構造デザイン賞受賞、2021年 ヴェネチアビエンナーレで金獅子賞を受賞したUAEパビリオンに協力。
特別講演会「月に棲む」開催概要
会期 | 2024年1月27日(土)15:00〜17:00(予定) |
料金 | 無料 ※別途イベント付き展覧会チケットの購入が必要 |
定員 | 150名(チケットサイトより事前申込制・先着順) |
会場 | WHAT MUSEUM |
主催 | WHAT MUSEUM |
URL | http://tinyurl.com/2c86yhw5 |
配信URL | http://tinyurl.com/372836sb |