チェコの世界的建築家アドルフ・ロースのインテリアデザインを紹介する展示会が開催

モダニズム建築のパイオニアとして知られるチェコの建築家 アドルフ・ロースが手掛けたインテリアを紹介する展示会「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」が、広尾のチェコセンター東京(チェコ共和国大使館内)にて、2021年12月15日(水)から2022年1月31日(月)まで開催される。adf-web-magazine-loos-and-pilsen-1

プルゼニュ市におけるロースの活動をより広い文脈で捉えることを主なねらいとした本展では、ロースが20世紀前半に長期にわたり取り組みつつも、チェコ国外ではあまり知られていなかったプルゼニュ市内の類を見ないインテリアデザインを紹介する。会場では、東洋大学の協力のもと、建築模型や3D映像、VR映像なども併せて展示し、夕刻には会場外壁にロースが手掛けたインテリア画像の投影も行う。

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プルゼニュ市・ブルメル邸内部 撮影yoshio sakurai

20世紀初頭、プルゼニュはオーストリア・ハンガリー帝国の中でも活発な工業都市だった。資本家たちは近代的な生活を望んでおり、質の高い邸宅を持つこともそのひとつだった。革新的で異端な建築家ロースに対し前向きに協力し、同時に豊富な資金力を持ったプルゼニュの資本家によって有名なアパートメントやインテリアがいくつも生まれた。こうした建築物は、建築家・ロースのライフスタイルにおけるモダニズムの思想を示す申し分のない例であり、折衷的で古典的なスタイルの邸宅に垣間見ることができる。同時に、所有者の個性、生活様式、運命によって、プルゼニュ、そして中欧諸国の社会文化史についての不穏な声明となっている。

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プルゼニュ市・ブルメル邸内部 撮影yoshio sakurai

本展は、プルゼニュの西ボヘミア美術館が2010年より行っている調査研究の成果を紹介するもの。1907年以降の初期の作品と、ヒルシュ家とベック家の重要性、そしてウィーンとのつながりを紹介します。また、1927年にプルゼニュに戻り、ブルメル家やゼムラー家、フォーグル家、クラウス家といった多くの投資家の邸宅を設計したことにも注目している。現代における邸宅の修復の様子や、現在はチェコ国外に住んでいる、ロースや家主の家族についても言及している。

展示内容

パネル展示

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」

動画展示
  • ロースハウス 1910 Vienna
  • シュタイナー邸 1911 Vienna
  • ショイ邸 1912 Vienna
  • バウアー邸 1914 Hrušovany u Brna
  • ルーファー邸 1922 Vienna
  • トリスタン・ツァラ邸 1928 Paris
  • モラー邸 1928 Vienna
  • ブルメル邸 1929 Plzeň
  • ミュラー邸 1930 Praha
  • オスカル・ゼムラー邸 1932 Plzeň
模型展示
  • サピエハ公の山荘 1918 場所不明
  • 公営住宅計画 1921 Vienna
  • シュトロス邸 1922 場所不明
  • 屋上庭園をもつ20 件の共同住宅 1923 Côte d'Azur,France
  • プレッシュ邸 1924 Croissy-sur-Seine, France
  • 立方体の家 1929 場所不明
  • ボイコ邸 1930 Vienna
  • フライシュナー邸 1931 Haifa, Israel
VR体験

ロース・インテリアの没入型データーの閲覧

屋外壁面展示(夕刻のみ)

ロース・インテリア画像プロジェクション

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」開催概要

会期2021年12月15日(水)〜2022年1月31日(月)※展示オープニングは12月15日 19:00~
開館時間10:00〜19:00
休館日土日・祝日、12月24日(金)および12月29日(水)〜1月3日(月)は休館 ※1月22日(土) は 特別開館
会場チェコセンター東京(チェコ共和国大使館内)
入場料無料
ウェブサイトhttps://bit.ly/3pP0f2L