中銀カプセルタワービルの再活用プロジェクト「カプセル新陳代謝プロジェクト」が始動

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトは、2022年に解体された中銀カプセルタワービルの23カプセルを取り外して、国内外の美術館や商業施設に展示、また宿泊施設などに再活用する「カプセル新陳代謝プロジェクト」(英文名:Capsule Metabolism Project)を開始。解体時に取り外され、黒川紀章建築都市設計事務所監修のもとに修復を済ませたカプセルが、このたび、譲渡先へ搬送され、4月から一般公開が始まった。

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修復後のカプセル内部 (撮影:山田新治郎)

2022年に多くの方に惜しまれ解体された中銀カプセルタワービル。中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトは建物解体時に23カプセルを取り外し、それらを工場に運び、黒川紀章建築都市設計事務所監修の下に50年前の姿に修復した。

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中銀カプセルタワービル 画像提供:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト

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「カプセル新陳代謝プロジェクト」は、再生したカプセルを多くの方に見て、体験してほしいとの思いから発足した。カプセルは、国内外の美術館や商業施設での展示や、宿泊施設やギャラリーとして再活用される。修復したカプセルは3月から譲渡先への引き渡しが始まり、先行して進められたいくつかのカプセルは、展示や運用スケジュールが公開された。

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スケルトンのカプセル内観 撮影:山根 かおり

「中銀カプセル」を動くトレーラーカプセルに再生

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトの活動趣旨に賛同した淀川製鋼所は、プロジェクトで取り外された23カプセルのうち1つを取得。工学院大学建築学部教授で ATELIER OPA(アトリエ オーピーエー)の鈴木敏彦の協力を得て、取得したカプセルを移動可能なトレーラーカプセルとして再生した。この「動く中銀カプセル」を、同社のデザインブランド「YODOKO+(ヨドコウプラス)」のシンボルとして活用していく。「動く中銀カプセル」は、2023年4月から6月に各地で開催されるエクステリアの展示会で披露される。

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トレーラーカプセルとして再生された中銀カプセル (撮影:山田新治郎)

「中銀カプセル」を再活用した新スペース「SHUTL」

「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する」という松竹グループのミッションに基づき、松竹が2023年秋に、東銀座・東劇ビル隣接地に新設する「SHUTL(シャトル)」は、中銀カプセルを再活用したスペースとなる。当スペースは、伝統と現代の新たな接続方法を生み出す実験場(ラボ)として、伝統文化と現代のカルチャーの融合、そして日本文化そのものの新陳代謝の促進を目指す。新設する建物内に2基のカプセルを収納し、それぞれのカプセルを活用しながら美術・工芸作品の企画展示・販売や、映像上演などを通じたイベントの企画・実施を想定している。

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SHUTL完成イメージ図(画像はイメージ)

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトについて

中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトは、2014年に保存を望むオーナーと住人を中心に結成。2015年11月『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』(青月社)、2020年12月『中銀カプセルスタイル:20人の物語で見る誰も知らないカプセルタワー』(草思社)、2022年3月『中銀カプセルタワービル 最後の記録』(草思社)を出版。管理組合と協力体制を構築することで、見学会の開催や、取材、撮影の手伝い、またコミュニティーの形成にも力を注いできた。