鯨の柔らかで雄大なフォルムをイメージ

照明デザインと海洋生物学のはざまにある、松山良樹のデザインによるポータブルランプ「Cachalot(カシャロット)」は、海の底からそっと浮かび上がり、生活空間に温かく優しい光をもたらしてくれる。アンビエンテックは新しいポータブルランプとして「Cachalot(カシャロット)」を発表した。Cachalotは本質的で親しみやすいフォルムを完璧に把握しながらも、喚起的で象徴的なオブジェとなっている。

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Cachalot by Yoshiki Matsuyama for Ambientec
Photo credit: ph Yume Takakura

子供の頃、絵本や冒険小説の中のクジラやクジラ類に魅了されました。今、デザイナーとして、海の生き物の形には、力強さや流動性、そして温かさや優しさを感じます。Cachalot "は、その雄大さと優しさを表現したものです。その柔らかな光は夜に広がり、まるで静かな海の底を進む鯨のように、時間をゆっくりと流れるように、平和で静かな雰囲気を醸し出しています。


デザイナー 松山良樹

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Cachalot by Yoshiki Matsuyama for Ambientec
Photo credit: ph Yume Takakura

アンビエンテックの創業者でありCEOの久野義紀は、起業てすぐに水中写真用のプロ用ライトのブランドであるRGBlueを生み出し、現在でもその優秀さが認められている。そして今、アンビエンテックのビジョナリースピリットはその技術的なノウハウをデザインの世界に持ち込み、ワイヤレスで充電可能な防水ランプを作り上げた。松山良樹にズーモフィックランプのコンセプト開発を依頼し、デザイナー自らの経験とアンビエンテックのアイデンティティである海への情熱と無意識のうちに交錯しにクジラの形に着目した。Cachalotは彫刻的な照明で、詩的なデザインとともにアンビエンテックの特徴である最先端の照明技術、精密な職人技、高品質の素材が見事に融合している。

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Cachalot by Yoshiki Matsuyama for Ambientec
Photo credit: ph Yume Takakura

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Cachalot by Yoshiki Matsuyama for Ambientec
Photo credit: ph Yume Takakura

アンビエンテックについて

2009年に設立された日本の照明デザインブランド。創業者である久野義則は、1999年にAOIジャパンを設立。プロ用撮影機材の水中保護ケースの製造に特化し、現在でも高品質の代名詞であるRGBlueブランドで水中撮影用のプロ用照明のフルラインナップを揃えた。極限の水深で高い水圧に耐え、なおかつ優れた光を放つポータブルギアの開発に必要なノウハウは、久野義則がデザインの世界に持ち込んだもの。アウトドアからバスルーム、自宅やカフェまで、日常空間のポータブル照明の新境地を開拓するために、アンビエンテックが誕生した。

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Cachalot by Yoshiki Matsuyama for Ambientec
Photo credit: ph Yume Takakura

松山良樹

日常生活や自然の美しさと調和する、穏やかで温かみのある象徴的なフォルムのプロダクトデザインを手がける。エレクトロニクス業界にも身を置き、家電製品から公共空間の設備まで、さまざまな分野のインダストリアルデザインに携わる。

久野 義則

光に魅せられたのは早い時期からで、デジタルイメージングに携わった後、深海への情熱を追いかけ水中撮影用のプロ用照明の研究を始める。水深100mまでの水圧に耐える機材、完全な防水性などに挑戦した。現代の機器の台頭は、大量生産文化による「使い捨て」の精神から、より誠実でバランスのとれた持続可能な人とモノの関係を考えるきっかけとなった。また、2011年に日本を襲った震災をきっかけに人々がどんな空間や環境にも持ち運べる、新しいタイプの室内灯を作ることを決意。持ち運びができ、壊れにくく、信頼性の高い、そして快適で魅力的なLED技術を組み込んだ照明という、先見性のあるコンセプトを打ち立てた。アンビエンテックのデザインの根底にあるのは、詩的な光であり、決して厳しくなく、冷たくなく、照らす空間と親密な対話を続けるものである。