光、身体、そして断片が織りなす抽象的空間
東京のGALLERY HAYASHI + ART BRIDGEで、新井碧の個展「Refle;fraction」が 2025年1月15日から2月29日まで開催される。モネの「睡蓮」に象徴されるように、近代美術史において「光」をテーマにした表現は、自然の中に潜む移ろいを捉える試みから始まり、その後の抽象表現主義へと受け継がれていった。この流れの中で、新井は無意識的な動作や身体性を基軸に現代の抽象表現の可能性を探究している。彼女の作品は、単なる自然描写を超え、身体の有限性と時間の痕跡を映し出す。
「Refle;fraction」というタイトルには、「reflection(反射)」「refraction(屈折)」「fraction(断片)」という三つの概念が込められている。これらは、身体性から生まれる現象の断片としての作品と、世界そのものの断片としての光のモチーフを象徴している。儚くも美しい現象の空間を体験できる。
新井碧(Midori Arai)プロフィール
1992年茨城県生まれ。2015年東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業、2022年京都芸術大学修士課程芸術研究科美術工芸領域油画専攻修了。無意識的な動作の痕跡に、身体の有限性と絵画の無限性を備える。鑑賞者に「描く行為」自体を身体的に想像・追体験させ、共生の時代であるからこそ、生命と時間の在り方について問う。
学歴
- 2022 京都芸術大学修士課程芸術研究科美術工芸領域油画専攻 修了
- 2015 東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻 卒業
個展
- 2025 Refle; fraction (GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE / 東京)
- 2024 ボーダー・ストローク (WALL_shinjuku / 東京)
- 2024 AVOWAL (TOKYO INTERNATIONAL GALLERY / 東京)
- 2023 持続する線 (FOAM CONTEMPORARY / 東京)
- 2022 まばたきのシノニム (biscuit gallery / 東京)
グループ展
- 2024 くぎを打つ(打たれる) (Pool Side Gallery / 石川)
- 2024 Silent Resonance (Galerie Lulla / ロサンゼルス)
- 2023 茫洋/波打つリズム (GALLERY HAYASHI+ART BRIDGE / 東京)
- 2023 絵の律 (biscuit gallery Karuizawa / 長野)
- 2023 次風景 ―Post landscape― (ASTER GALLERY / 石川)
アートフェア
- 2024 Art OnO Seoul (SETEC / ソウル / GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE)
- 2023 Art Fair Tokyo (東京国際フォーラム / 東京 / GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE)
- 2021 Art drops (SPinniNG MiLL / 大阪)
- 2021 SUIKEI ART FAIR OSAKA (Hotel Noum / 大阪)
受賞歴
- 2022 京都芸術大学大学院修了展 2022 優秀賞
- 2021 ターナーアワード2020 入選
- コレクション
- 2022 両足院 建仁寺 (京都)
GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE
2008年に銀座で開業し、20世紀近代絵画を中心に活動を展開。2018年には若手現代美術アーティストのプロジェクト「ART BRIDGE」を始動。歴史的な美術の流れと新たな表現の融合を目指している。
新井碧個展「Refle;fraction」開催概要
会場 | GALLERY HAYASHI + ART BRIDGE / 東京 |
会期 | 2025年1月15日から2月29日まで |
URL | https://tinyurl.com/mumdk3dn |