荒川 修作+マドリン・ギンズのVR作品が国際芸術祭あいち2022にて世界初公開
フランス・エピナールで実現するはずだった、荒川修作+マドリン・ギンズの未完の作品《問われているプロセス/天命反転の橋》(1978-1989)がVR化され、世界に先駆けて「STILL ALIVE 国際芸術祭あいち 2022」にて公開される。開催日は2022年9月3日(土)、4日 (日)、17日(土)、18日(日)の4日間。特設ページから予約を受け付ける。なお、9月2日にはトークイベントも予定されている。
作品について
《問われているプロセス/天命反転の橋》は、フランスのエピナール市を流れる河にかける橋として構想されたが、実現には至らなかったプロジェクト。荒川修作+マドリン・ギンズの中心的コンセプト「天命反転」の礎となる作品であり、その核心は後の《養老天命反転地》(1995)や、《三鷹天命反転住宅》(2005)に引き継がれていく。
このたび、荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所とReversible Destiny Foundation (New York)が、池上高志 東京大学教授の指導のもと、オルタナティヴ・マシンとのコラボレーションで、13mの設計模型と制作ノートをもとにVR作品化された。
橋は21の装置の連鎖からなり、それぞれ「光の身体的推量」、「共同体的凝視のプロセス」などと名付けられ、いずれも特定の身体的な行為を強いるような造作が仕組まれている。VR作品は、全長13mの模型や、当時の制作ノート等の資料や他の《天命反転》作品をもとに作成。実現していれば全長140mとなっていた橋のうち、50mをヴァーチャル空間に再現した。複雑な構造の橋を渡る体験ができる。
※模型とVRのデモ映像は芸術文化センターで展示中。
荒川 修作+マドリン・ギンズ について
荒川 修作:1936年愛知県生まれ。ニューヨーク(米国)を拠点に活動。2010年、同地にて没。
マドリン・ギンズ:1941年ニューヨーク(米国)生まれ。ニューヨーク(米国)を拠点に活動。2014年、同地にて没。
美術家の荒川修作と詩人のマドリン・ギンズは、共に哲学・科学・芸術を統合する創造家を意味する「コーデノロジスト」を称した。荒川は初期の立体作品から一連のダイヤグラム絵画作品を経てギンズとの建築作品に至るまで、一貫して世界を多様に認知する方法を、身体を中心とした環境を創造し模索し続けた。代表作に「意味のメカニズム」(1963年-)、「問われているプロセス/天命反転の橋」(1973-1989年)、建築作品に奈義町現代美術館の「遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体」(1994年)、「養老天命反転地(1995年)、「三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller」(2005年)などがある。主な個展は「荒川修作展 絵画についての言葉とイメージ」(1979年、西武美術館、東京)、「荒川修作の実験展―見るものがつくられる場」(1991-92年、東京国立近代美術館他)、「Reversible Destiny ─ Arakawa/Gins(1997年、グッゲンハイム美術館、ニューヨーク、米国)など。
荒川 修作+マドリン・ギンズ VR作品《問われているプロセス/天命反転の橋―2022 VR版》公開イベント概要
開催日 | 9月3日(土)、4日 (日)、17日(土)、18日(日) |
会場 | 愛知芸術文化センターペデストリアンデッキ |
時間 | 10:00-17:30 |
申込 | 要予約(詳細は特設ページを参照) |