ルワンダの自然と文化に根ざした蒸留所施設が地元農家と観光産業を結ぶ拠点に
アフリカ・ルワンダ北部、雄大なヴィルンガ火山群の麓に位置するムサンゼに、BE_Designが手がけた蒸留所とアグロツーリズム拠点「Virunga Mountain Spirits」が完成した。地域の経済的自立を支援する女性主導の企業によるプロジェクトで、農家の支援と観光需要の両立を目指す場として、地域に新たな価値を提供している。
敷地は面積1,100㎡、荷を積んだ自転車で丘を下る農民や、マウンテンゴリラを目指して火山地帯を上る観光客の往来が多い幹線道路沿いに位置している。中央には蒸留室が据えられ、透明・半透明のボリューム内に10メートルの銅とステンレス製蒸留器が設置されている。自然光を多く取り入れた構成で、蒸留工程そのものが訪問者への魅力として提示される。
周囲は手作業で加工された火山岩の厚い壁で囲まれ、オフィス、瓶詰め室、倉庫、キッチン、バー、テイスティングルーム、受付、ギフトショップなどの機能が配置されている。建築の幾何学は周囲の火山の存在感を反映しつつ、ルワンダの伝統装飾「イミゴンゴ(lmigongo)」に見られる文様にも通じるものとなっている。
建設には地元で調達された素材が大部分を占め、長年の建設パートナーとの協働により地域の労働者が起用された。女性の参加率は平均35%を維持し、現場での技能研修や貯蓄の仕組み、収入の確保を通じて、持続的な地域貢献が実現されている。
BE_Design
ブルース・エンゲルが設立したBE_Designは、ルワンダ、タンザニア、ケニア、ガーナなどアフリカ各地の農村部や社会的に不利な地域における教育・地域施設の設計を手がける建築事務所。拠点とするニューヨークでは省エネルギー住宅の設計にも取り組み、国際的な賞や評価を受けている。

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