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「ブランド価値」によるグローバル・ブランドランキングTOP100

世界最大のブランディング専門会社インターブランドは、グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2023」(BGB 2023)を発表した。本ランキングは、グローバルに事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランキング化するもので、レポートの発表は2000年から今年で24回目。ブランドが顧客に対して提供する価値だけではなく、現在そして未来の社会に対する役割や責任に関する活動の評価として、環境・社会・ガバナンス(ESG)データを導入している。

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概要

  • Top 100にランクインしたブランドの価値総額は、昨年の対前年比16%増に対して、今年は同5.7%増にとどまる
  • 鈍化の主な要因として、成長志向の相対的な希薄化、ブランド・リーダーシップの保守化、将来への不確実性の高まりが挙げられる
  • 複数のカテゴリーに展開しているブランドが価値総額の50%を占め、引き続きランキング上位を独占。ブランドをより重視することにより、競合相手に対して急成長を遂げることが可能に
  • 昨年初ランクインしたAirbnb(46位)が、成長率第1位(21.8%増)
  • Apple は11年連続で第1位の座を維持。ブランド価値が5,000億ドルを突破した初めてのブランドに
  • 最も成長した業種は、自動車ブランドとラグジュアリーブランドで、それぞれ9% 、6.5%の増加。BMW(10位)が初めてTop 10入りし、Porsche(47位)、Hyundai(32位)、Ferrari(70位)も好調
  • Zara(43位)とSephora(97位)の2つの人気小売ブランドの価値が、それぞれ10%、15%増加

今年のランキングでは、世界のTop 100ブランドの多くが成長を鈍化させていることが明らかになった。Top 100にランクインしたブランドの価値総額の成長率は、2022年の対前年比16%増に対し、今年は同5.7%増と、昨年の目覚しい成長から急激に鈍化し、ブランド価値総額は3兆3,000億ドル(2022年は3兆1,000億ドル)となった。

インターブランドは伸び悩みの主な要因として、成長志向の相対的な希薄化、ブランド・リーダーシップの保守化・弱体化、高まる不確実性と将来への見通しの甘さを指摘。これは、長期的な傾向として、あるカテゴリーのみで事業を展開し、漸進的なアプローチをとっているブランドは、ブランド価値の成長が鈍化していることを表している。

今年のランキングのブランド価値総額の伸びは緩やかであり、われわれはここ数年の急速な成長を経て、停滞期に入りました。Airbnb(46位)、LEGO(59位)、Nike(9位)など、ブランド価値が上昇した企業は、いずれも本来の事業カテゴリーを超えて、社会や消費者の生活の中でより重要かつ意義ある役割を果たしています。

われわれが経済と環境問題における逆風に立ち向かって進んでいくには、従来からの事業カテゴリーの内外で将来への投資を推進し、成長を持続するための事業計画を見直し、ブランド・マネジメントを改善していく必要があります。そうして新たな消費者の獲得に成功していく企業が、強いブランドになることができるのです。  ー Gonzalo Brujó、インターブランドのグローバル最高経営責任者(CEO)

複数の事業カテゴリーに展開し、より幅広い消費者のニーズに対応しているブランドがランキングの上位を独占し続け、価値総額の約50%を占めていると分析。データによると、複数のさまざまなカテゴリーに展開しているブランドは、より安定し(※注1)、より高い売上高の伸びが見込まれ(※注2)、より利益率が高く(※注3)、ブランド価値のより大きな成長の恩恵を受けている(※注4)。企業は、プロダクトではなくブランドにフォーカスすることで、より速やかな決断を促進すること、すなわちカテゴリーの内外における顧客ニーズに、より的確に対応することができる。

(※注1)売上高年平均成長率(CAGR)は2018-2022年のそれ以外のブランドの平均に対して+81.5%
(※注2)売上高成長予測はそれ以外のブランドの平均に対して+43.8%
(※注3)利払い前税引き前利益(EBIT)成長予測はそれ以外のブランドの平均に対して+33.7% 
(※注4)ブランド価値成長率はそれ以外のブランドの平均に対して+4.8ポイント

このほかのポイント

成長率トップ

Airbnbのブランド価値は対前年比21.8%増加し、今年最も高い成長率を示したブランドとなった。また昨年ランキングに入ったばかりにもかかわらず、昨年の54位から46位へと躍進している。このブランドの目覚しい価値の増加は、ブランドへの力強い投資と堅実な財務見通しによるものであり、2022年の売上高は2021年に比べて40%増加し、2023年は2022年に比べてさらに13%の増加が見込まれている。

自動車ブランドとラグジュアリーブランドが急成長

自動車ブランド全体のブランド価値は対前年比で9%増加した。BMWが初めてトップ10に入り(10位)、Porsche(47位)、Hyundai(32位)、Ferrari(70位)はいずれも2ケタ成長を果たし、最も成長を示した上位5つのブランドのうちの3つを自動車ブランドが占めている。
Teslaは今年のランキングで12位の座を維持したが、成長率は自動車ブランドの中で最も鈍化し、ブランド価値の成長率は、BMW とMercedes-Benzがそれぞれ10.4%と9.5%だったのに対し、4.0%に留まった。
ラグジュアリーブランドは今年、ブランド価値を6.5%増加させ、再びトップクラスに。これはラグジュアリーブランドの回復力と、カテゴリーを超越し、レストランやホテル、ポップアップ店などでプレミアム体験を生み出した成果と言える。
Hermès(23位)、Dior(76位)は、今年、ブランド価値をそれぞれ10.2% 、8.4%増加させ、ラグジュアリーブランドで最も伸びた2ブランドとなった。

Top 100ランキングの全容と、業界動向や詳細を掲載したレポートは、www.interbrand.com から閲覧できる。

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日本ブランドに関する分析

Toyota:6位、645億ドル(前年比+8%)

Vision「可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える」、Mission「幸せを量産する」、Vαlue「トヨタウェイ」を掲げているToyotaは、昨年同様第6位となり、20年連続で自動車ブランドの最高位を獲得。品質報告書において常に高い評価を得ており、NPOのコンシューマー・レポートでは、2022年末に実施した調査において、Toyota、Lexus、BMWが米国で最も信頼できる自動車ブランドと評価された。また英国における「What Car?」 の信頼性調査では、2022年に英国で最も信頼できる自動車ブランドとしてToyotaが評価された。2022年4月、EV車戦略の道筋を表明、本格的にEV車の生産を開始した。

Honda:27位、244億ドル(+7%)

Hondaは、2023年4月にグローバルブランドスローガンの再定義を行い「The Power of Dreams」に「How we move you.」を付加。さらに「Create(創造)」「Transcend(解放)」「Augment(拡張)」の提供価値を明確化し、社員一人ひとりの夢の実現が、お客様や社会全体の夢の実現につなげていくことを宣言した。今後、その具体的な取り組みが期待される。また、2030年ビジョン「すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する ー世界中の一人ひとりの『移動』と『暮らし』の進化をリードするー」を達成するため、Sony、GSユアサ、世界最大の半導体メーカーTSMCなどのブランドと協力関係を拡大し、中核部品のサプライチェーンをコントロールするとともに、グローバルなEV市場での存在感向上を目指している。

Sony:36位、191億ドル(+12%)

Sonyは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」をパーパスに掲げ、エレクトロニクスとエンタテインメントの世界的リーディングカンパニーとしてのブランドの地位を築いている。国内メーカー初のQD-OLEDパネルを搭載した、圧倒的な映像美を実現するフラッグシップ4K有機ELテレビ「ブラビア XR-65A90J」発表し、複数の主要映画フランチャイズに携わるソニー・ピクチャーズは、「スパイダーマン」や「ゴーストバスターズ」の新作を2023年公開予定。また、金融領域でもクリエティブセンターによるリブランディングを開始。ソニーらしいパーパスの実現に着実に取り組んでいる。

Nissan:63位、127億ドル(+4%)

Nissanは「他がやらぬことを、やる」という創業以来の精神で、コーポレートパーパス「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける」ことを目指し、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」と事業構造改革計画「Nissan NEXT」を展開。2022年9月には、随所に和のモチーフが散りばめられた軽EV車「サクラ」が3万台を突破し、日本における「電気自動車(EV)元年」の訪れを感じさせた。そして、2023年3月には、電動化戦略をさらに加速する修正を発表。クルマのライフサイクル全体におけるカーボンニュートラルを実現するとともに、「GT-R」や「フェアレディZ」のような、運転の楽しさも提供し続けていくことで、Nissanらしさを構築している。

Nintendo:71位、105億ドル(-2%)

2023年5月世界同時発売したNintendo Switch向けソフト『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の世界累計販売本数が、発売後3日間で1,000万本(うち国内販売本数224万本)を突破し、史上最も売れたゲームのひとつとなった。さらに、Spotifyのような「Year Wrapped」機能を初めて導入し、ゲームプレイや統計データ、キャラクターとのインタラクションを振り返ることができるようにした。また、スーパーマリオブラザーズの新作映画によって、NintendoはSwich向けにマリオの新作ゲームをリリース。このような活動によりNitendoは常に世界で輝けるブランドとして存在している。しかし、財務の将来見通が少し弱く、今年はマイナス成長となった。

Panasonic:90位、67億ドル(+6%)

2022年4月、Panasonicは「幸せの、チカラに。」という新しいグループスローガンを掲げ、創業者松下幸之助の理念に基づき、物と心の両面が豊かな理想社会を築くことを目指している。この取り組みの一環として「Panasonic GREEN IMPACT」という環境ビジョンを通じて、具体的な環境への貢献目標やシナリオを提示している。また、2023年5月に発売された新しい「LUMIX S5IIX」カメラは、ソーシャルメディアユーザーにとって理想的なカメラとして評価されている。この動画ツールは、人々の日常の喜びや挑戦を共有する手段として注目され、他者との経験に共感し合い、絆を深め、心豊かな生活をサポートする革新的な技術を提供している。

Canon:100位、60億ドル(+3%)

Canonは、2021年に中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想フェーズ VI」として、4つの産業別グループ(プリンティング、イメージング、メディカル、インダストリアル)に組織を再編成し、戦略的大転換として変革を進めている。また、Canonは、国際的なデザイン賞iFデザイン賞を29年連続受賞し、米国特許取得件数においては、世界企業として5位、日本企業としては1位を9年連続獲得し、「ものづくりを極める」Canonの高い技術力を維持している。


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