現代アーティストの作品を通して「旅」という体験の意味を探る
東京都庭園美術館では、2022年9月23日(金・祝)から11月27日(日)まで、「旅と想像 / 創造 いつかあなたの旅になる」 展を開催する。本館建築の出発点となった1920年代の朝香宮夫妻のパリ旅行を手がかりに、アール・デコの装飾芸術や一世を風靡した当時の観光ポスター、現代アーティストの作品を通して「旅」という体験の意味を探る。
展覧会概要
旅に出たい。ここではないどこかへ行きたい。移動の自由が制限された2年半、世界中の人々が旅を諦めた。この期間中に旅への想いが募り、自分の中の旅願望に気付く。いったい旅とはいかなるものなのか。本展はこうした問いの行方を他者の旅を手がかりに、再考するための“旅のアンソロジー”。イントロダクションとなるのは、庭園美術館の本館建築に大きな影響を与えた朝香宮夫妻の100年前の欧州旅行。1920年代の旅風景を美術工芸品と資料によって描き出す。それに続き、ある個人コレクターの鉄道資料蒐集の旅、そして現代アーティストたちによる旧朝香宮邸をめぐる作品を、建築空間を生かしたインスタレーションによって紹介する。それぞれの旅に潜む物語は、もはや旅が旅人だけのものではなく、受け取る側と共有され、想像の中で経験されることを待っていると言える。
「旅」をテーマに集結した、幅広いジャンルの作品・資料
本展は朝香宮の関連資料をはじめとする1920~30年代の写真や絵葉書等から、現代の作家による作品まで、旅をテーマに集められた幅広いジャンルの作品で展示を構成している。
「旅」の果実である邸宅で鑑賞する「旅」の表現
旅行や旅になかなか出られなくなった今、本展を通して改めて旅について問い直す。およそ100年前に朝香宮がフランスへと旅立ち、その時の見聞が旅の果実として残る旧朝香宮邸を舞台に、旅心をめぐる様々な表象が形となった作品を紹介する。
「旅」への視点と現代作家によるインスタレーション
旧朝香宮邸の各部屋を生かした、現代のアーティストたちによるインスタレーションを体感し、歴史的建造物である当館ならではの特別な空間と旅に対する作家独自の視点とが交錯し、鑑賞者をいつかまた出会う新たな旅の入口へと誘う。

宮永愛子《suitcase -key-》2019年 ナフタリン、樹脂、封蝋、ミクストメディア 高松市美術館「宮永愛子:漕法」展示風景 撮影:木奥恵三 ©️MIYANAGA Aiko, Courtesy of Mizuma Art Gallery
出展作家
相川勝 / 栗田宏一 / さわひらき / 福田尚代 / 宮永愛子 / evala(五十音順)
髙田賢三 / カッサンドル 他
「旅と想像 / 創造 いつかあなたの旅になる」開催概要
会期 | 2022年9月23日(金・祝)から11月27日(日)まで |
時間 | 10:00 ~ 18:00 |
会場 | 東京都庭園美術館 本館+新館 |