「美」「インクルーシブ(包摂性)」「サステナビリティ」を融合した先駆的な取り組みを展開
化粧品会社ロレアルグループの日本法人である日本ロレアルは、studioFLATと協働し、新宿本社オフィスの社内カフェにおいて、同法人が提供するインクルーシブなアートのサブスクリプションを4月から開始する。ロレアルは「世界をつき動かすような美の創造」をパーパスに掲げ、110年以上にわたり、美の創造に専念してきた。
美という事業活動を通し、多様で公正、包摂的な社会の実現に貢献することを目指すロレアルは、studioFLATの「障がいのあるなしに関わらずアート作品の魅力を伝え続け、包摂的な社会の実現を目指す」という理念に共鳴し、今回のコラボレーションが実現した。stduioFLATが運営する生活介護事業所を利用する障がい当事者であるアーティストのインクルーシブなアートを半年単位で定期レンタルし、新宿本社オフィスの社内カフェスペースに展示。第一弾は4月からスタートし、4名のアーティストの作品を展示予定。第二弾(10月開始予定)より、作品で使用する絵の具の一部に、廃棄予定のロレアル製品をアップサイクルした絵の具が使用され、「美(アート)」「インクルーシブ(包摂性)」「サステナビリティ(持続可能性)」を融合させた先駆的な取り組みをstudioFLATとともに展開する。
studioFLATの活動を知ったとき、まさに当社が目指す「美の創造」を体現するものだと感銘を受け、すぐさま会社に導入を提案しました。studioFLATのアーティストの皆さまが創る美を通して、多様性・公正性・包摂性の尊重に関する考えや気づきを社員に伝える機会をつくることができ、嬉しく思っています。stduioFLAT、そしてチームの貢献により、「美(アート)」「インクルーシブ」「サステナビリティ」という、当社が重視する価値を反映させたユニークな取り組みを実現。人と人とをつなぎインクルーシブで持続可能な美を知っていただくことが、多様で公正、包摂的な社会実現への一歩になると信じています。
日本ロレアル購買部マネージャー 人権、DE & Iコレスポンデント谷亜由美
今回の協働事業は障がいある無しに関わらず、社会へアートと美の融合を通じて新時代の価値を発信していく良い機会となると直感しました。そして廃棄予定のロレアル製品をアップサイクルした絵の具の一部を使用して作品制作したものをサブスクサービスとして10月より展示発表いたします。SDGsと美とARTを融合させたSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献を目指した先駆的・画期的なサステナブルな取り組みが誕生します!アートが人をつなぎ美とインクルーシブな取り組みがまた新たな価値の創出を生み出すことを信じてDE&I(多様性・公正性・包摂性)社会の形成に一緒に貢献してきたいと考えています。
studioFLAT理事長 大平暁
日本ロレアルの障がい者への雇用機会創出の取り組み
日本ロレアルでは、多様で公正、包摂的な社会実現のため、障がい者への継続的な雇用機会創出に取り組んでいる。
特例子会社「エヌ・エル・オーさいわいファクトリー」
2010年6月川崎市幸区に開設、同年11月に特例子会社に認定された事業所。2023年1月現在で、約30名のラインスタッフと6名の管理スタッフにより構成されており、ラインスタッフの半数以上は重度の知的障がいがある。化粧品のラベリング、アッセンブリ、印刷といった業務を通し、美の創造に従事している。スタッフ一人ひとりの強みを活かし得意な作業に集中できるよう、業務を細分化し手作りの治具などを用いることで、仕事がしやすい環境を整えている。
ソリダリティソーシング(包摂的かつ公正な購買活動)
一人ひとりの違いや個性を尊重し、称え、促進することを目指し、2010年に始動したグローバルプログラム。社会的・経済的に脆弱なコミュニティの人々を雇用している企業に当社グループの入札への参加を呼びかけ、当該コミュニティの人々が持続的に仕事と収入を得られるよう支援することを目的としている。日本においては、障がいのある人やシングルマザー、東日本大震災の被災者に対して持続的な雇用機会を提供するサプライヤー企業に対し入札を呼びかけ、2022年12月現在で67人[i]の雇用を支援している。
日本ロレアル
ロレアルは1963年から日本で事業を開始し、1996年に日本法人である日本ロレアルが設立。2022年末現在の社員数は2,253人、取り扱いブランドは18となる。化粧品の輸入、製造、販売、マーケティングを行う。日本はロレアルグループのなかで戦略的拠点のひとつであり、マーケティングならびに営業拠点のほか、研究開発所(日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター)と製造工場(コスメロール)とシュウ ウエムラとタカミの2つのブランドの本社組織(商品企画やグローバル展開施策を策定する組織)を有している。
studioFLAT
2019年5月設立。「FLAT」という名前には、障がいのあるなしに関わらず作品の魅力そのものを「FLAT」に感じてもらいたいというコンセプトが込められている。障がいのある人たちのアートによる共生、経済的な自立を支援しながら、「障がい者アート」などの特別な呼称をされない社会をSDGsのゴールを目指し推進している。