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グラフィックを通してテクノロジーと人間の関係を探る

京都岡崎蔦屋書店は、Plotter Drawing(プロッタードローイング)という独自の手法を通して新しい表現領域に挑戦するデザイナー、深地宏昌の展示「NATURE / CODE / DRAWING in KYOTO」を2022年8月19日(金)から9月5日(月)まで開催する。「テクノロジーと人間はどのように付き合っていくべきなのか」を、制作のテーマのひとつとして掲げている深地。Plotter Drawingを通してデジタルとフィジカルの境界を探り、アナログ表現の奥行きを伝え、機械的な表現と人間的な表現の融合についてもフォーカスしようとしている。adf-web-magazine-neture-code-drawing-1

概要

2017年にAからZまでをそれぞれのイメージに合わせた質感で描いた作品「UNCONTROLLED TYPES by Plotter Drawing」は、カンヌライオンズなど海外のアワードで多数受賞、2021年には作品「4D DRAWING」で日本タイポグラフィ年鑑で受賞するなど、Plotter Drawingによって生み出された作品は、これまで国内外で高い評価を得ている。「NATURE/CODE/DRAWING」と題された本展では、プログラマー・アルゴリズミックデザイナーである堀川淳一郎の協力のもと、7月に渋谷ヒカリエで開催、好評を得た同名の展示の中から10点を厳選して展示。また、会場にはプロッターを設置、実際に制作の様子を見ることができる。新たなグラフィック表現を探求する深地の、数々の洗練されたイメージとそれを描き出すPlotter Drawingの表現性を間近で見ることが出来る。adf-web-magazine-neture-code-drawing-6adf-web-magazine-neture-code-drawing-7

Plotter Drawing (プロッタードローイング)について

​深地はプロッターという、ベクターデータを変換・出力する機器でデジタルデータを物理的な動きに変換し、鉛筆、ボールペン、筆ペン等の筆材で紙上にドローイングをおこなう独自の技法、「Plotter Drawing」を軸に、グラフィック表現の研究を行い。デジタルデータの緻密な線情報がさまざまな描画材によって紙に描かれることで、摩擦や重力、湿度や気圧などの物理的要因が作用して、「にじみ」や「かすれ」などの偶発的表現が生まれるPlotter Drawing。人の手で描いたものとも機械的なデジタルプリントとも違う、緻密でありながら暖かみのある筆致が特徴。

本展に寄せて

水の波紋や地面のひび割れ、木々の年輪や山脈の連なり。自然が生み出す美しい形状や現象は一見複雑で再現性のないように見えるが、その仕組みをよく観察すると何かしらの規則性があり、実はシンプルなルールの組み合わせであることが多くある。そして、それらを数理的に読み解くことでプログラミングによって人工的に再現することが可能となる。本展示では、自然界のあらゆる形を意図的に再現し、グラフィックに落とし込む新しい表現領域に挑戦。プログラマー・アルゴリズミックデザイナーの堀川淳一郎氏が開発した「自然アルゴリズムによる3次元プログラム」で創り出した自然現象を、「Plotter Drawing(プロッタードローイング)」で物質的な強さと重さのあるフィジカルの世界へ変換。デジタルとリアルの間に生じる偶発的な美しさを集積した作品群を発表する。

深地宏昌(ふかじ ひろまさ)

デザイナー / グラフィック・リサーチャー(視覚表現研究者)。1990年大阪府生まれ。京都工芸繊維大学大学院デザイン学専攻修了。学生時代にデザインの方法論や理論を学ぶなかで「作品の構造的な面白さ」を重要視するようになり、同時に伝統工芸に取り組む職人の仕事に触れることで「視覚的な美しさ」を表現することの重要性も意識するように。そうした右脳的な学びと左脳的な学びの両方を同時期にインプットした経験が、深地のものづくりへの純粋な想い、プロのこだわりを大切にする現在の姿勢につながっている。

GALLERY EN

書店とシームレスにつながる「GALLERY EN」は、作り手が作品に込めた思いや技術を表現し、伝える空間。アートや伝統工芸品を通して、「こころを動かすものとの出合い」を体感し、京都岡崎の地で人と人、人とアートがつながってたくさんの縁が生まれる場所になるようにという思いが込められている。日本の工芸品や民藝品を紹介する既存の展示スペースを「EN シェルフ」、全長9mの白壁は「EN ウォール」として、現代アート作家を中心とした作品を展開していく。

京都岡崎 蔦屋書店

文化都市、国際都市 京都にふさわしく「アート」「日本の暮らし」をテーマにコンシェルジュが厳選した本や雑貨を揃える。劇場・美術館・公園に隣接した文化空間にて珈琲を飲みながら本を読んだり、アートギャラリーや工芸ギャラリーを楽しむことができる。