ビジュアル本『世界のビックリ建築を追え。』刊行
このたび、CasaBRUTUSの元編集者が世界中から厳選した「ビックリ建築」を収録した『世界のビックリ建築を追え。』が扶桑社より刊行。建築・デザイン雑誌の編集者として、世界中のビックリ建築を20年以上にわたり追いかけてきた白井良邦が、その魅力から生まれるに至った時代背景や建築家の思想まで、独特のカルチャーをリポートする。
この本で紹介している建築の多くは、人類が宇宙に飛び立った1960~70年代初頭という時代につくられたものばかりです。この時代のデザインは今も色あせない魅力を放っていますが、その60~70年代カルチャーを、社会情勢・スピリチュアル世界の話しなどを織り交ぜながら、建築を通じ紹介しています。建築をよく知らない人でも、大いに楽しんでもらえる内容になっています
―白井良邦
本書一部紹介
TARO OKAMOTO’S MASTERPIECE UNEARTHED
ー岡本太郎×黒川紀章、隠れたマスターピースー
黒川紀章設計の寒河江市庁舎のメインロビーを竣工当時から50年以上、変わらぬ姿で照らし続けている岡本太郎の彫刻作品《生誕》。太郎はこの作品について「建物の直線に“ツノ”を曲線で対抗させ、生みの苦しみとエネルギーを表現した」と語っている。4層分吹き抜けの天井から吊るされた作品は、圧倒的な存在感で心を揺さぶる。
TOKYO MODERN ARCHITECTURE LOST
ーさらば60年代、前衛建築ー
東京・市ヶ谷に建つ、いけばな龍生派の拠点、龍生会館は、知られざる和風モダニズム建築。しかし、このアヴァンギャルドな名建築も残念ながら、解体され、永遠に失われてしまった。
ULTRA-MODERN ARCHITECTURE IN MEXICO
ー驚愕のメキシコ宇宙船建築ー
メキシコシティ郊外の高級住宅地に建つ、スペースシップ・ハウスTALLERは、マヤのピラミッドを思わせる造形。設計は、70年大阪万博「メキシコ館」をデザインした建築家アウグスティン・ヘルナンデス。完成以来、彼の建築事務所兼住居として使われているという。
MODERN ARCHITECTURE IN CUBA
ー魅惑のキューバ・モダニズム建築ー
キューバ・ハバナ新市街の中心、革命広場に面して建つ内務省ビル。1953年に建築家アキレス・カパブランカの設計で建てられた。建物自体はル・コルビュジエの影響が見て取れるが、壁面にはキューバ産の石灰石が使われるなど、この国の独自性もみられる。当初、建物正面の壁面にチェ・ゲバラの顔は無かったが、キューバ革命後に取り付けられた。
白井良邦プロフィール
ビックリ建築探究家/編集者。1971年神奈川県生まれ。大学卒業後、1993年マガジンハウス入社。雑誌「POPEYE」「BRUTUS」 編集部を経て「CasaBRUTUS」には1998年の創刊準備から関わる。2007年~ 2016年CasaBRUTUS 副編集長。建築や現代美術を中心に担当し、「安藤忠雄特集」、書籍「杉本博司の空間感」、連載「櫻井 翔のケンチクを学び旅」などを手掛ける。2017年より瀬戸内海での富裕層向け観光事業に携わる。
『世界のビックリ建築を追え。』書籍概要
著者 | 白井良邦 |
発売 | 2020年10月28日 |
発行 | 扶桑社 |
価格 | 3200円+税 |
仕様 | A4変型判(大型ビジュアル本)、オールカラー152ページ |
ISBN | 978-4-594-08627-5 |
購入 | Amazon 楽天ブックス |