隈研吾がデザインした「サスティナブルな天然素材を使った次世代のホテル空間」がコンセプトのショールームがオープン
鹿田産業の八女本社ショールームがリニューアルされ、「SHIKADA SHITSURAI ショールーム」として2023年1月30日(月)に一般公開される。内装設計は、隈研吾建築都市設計事務所が手掛けた。2023年1月29日(日)に開催されるオープニングレセプション(招待客のみ参加)では、、隈研吾と鹿田産業代表の鹿田が、ショールームのこだわりやコンセプトである「サスティナブルな天然素材を使った次世代のホテル空間」について対談形式で説明する。
SHIKADA SHITSURAIショールーム 開設の背景
「SHIKADA SHITSURAIショールーム」は、「サスティナブルな竹と籐素材を使った次世代のホテル空間」をコンセプトに、ホテル内装を模したショールームとしてデザインされている。脱炭素化時代に求められているインテリアとして、竹すだれを天井装飾用でデザインされた施工例など十数例を展示。SDGsへの取り組みの一つとして木や竹などの天然素材内装材の使用が増加している商業建築だが、防炎や難燃対応した天然内装材はまだ少なく、その装飾用途や実際の施工例で展示したショールームは数少ないのが現状である。鹿田産業では、約20年前より地域資源である竹を使用したすだれを、伝統工芸技術を生かした内装材として、主に商業施設のデザイナーへ提案してきた。2020年コロナ直前の欧州展示会出展をきっかけに、EU圏・フランスの防炎規制に対応し、商業施設用のすだれ生地ラインナップは認証を取得している。 当ショールームでは、国内外のすだれ生地の導入施工例を再現し展示、当ショールーム施工中の様子を記録した動画なども見ることが可能。また、竹以外の天然素材として籐(とう)素材を家具や間仕切り材として提案している。籐の原産地であるインドネシアから約40年前にいち早く輸入し、敷物や家具として提供してきた経験を活かし、商業施設用の籐家具を隈のデザインで共同開発した。
コンセプト
当ショールームでは、「室礼」という“来客の際に季節の天然素材で室内を装飾する古来からの礼節文化”を継承するため、その際使われてきた「竹すだれ」を主に使っている。現代の商環境用内装材として他の天然素材と共に、装飾用途をデザイナーへ提案すべく誕生した。海外のデザイナーからの引き合いへの対応を兼ね、「SHIKADA SHITSURAI」と英表記している。
鹿田産業製のすだれは、隈研吾が手掛けたエースホテル京都や星野リゾート別府など、約10年前より国内外の商業施設の案件で使われてきた。室礼という概念を活かしながらも、すだれという工芸品の概念を覆す現代の空間に会う隈氏の装飾デザインを、リアルで見られる施工例集として再現。すだれの透過性を検証できる暗室、天然素材ならではの伸縮やねじれ特性を検証できる設備を備えたラボを併設している。
ショールーム概要
当ショールームは、商業施設などを設計するデザイナーに向け、創業110年の弊社の歩みを紹介しながらも、これからの未来へ向けた新たな空間のアイデアが沸き上がるようデザインされている。エントランス、ラウンジ、客室、ショップなど6つのゾーンはホテルデザインで構成されており、竹すだれを天井や壁面、照明シェード用途で使用し、優美な空間を表現している。八女手漉き和紙や久留米籃胎漆器の竹編み生地など地域の伝統工芸技術を生かした客室の施工例が並ぶ。ラウンジ空間では、ウール素材の国産手差しフックカーペットの上に、今回新たに隈がデザインした籐家具を配している。地球環境に配慮した備品を販売するショップスペースも用意している。
「SHIKADA SHITSURAI ショールーム」概要
所在地 | 福岡県八女郡広川町太田428 |
営業時間 | (平日のみ)9:00~17:00 |
来場予約・問合せ | TEL 0943-32-1141 |