論理的な思考と直感的な感受性が緩やかに融合するノート
罫線部分と無地部分の境界が曖昧なことで、使い手の論理的な思考と直感的な感受性が緩やかに融合するノート「EMBRACE NOTE(エンブレイスノート)」が2025年3月19日(水)からコクヨ直営店並びに公式オンラインショップで発売される。本製品はコクヨが主催するプロダクトデザインの国際コンペティション「コクヨデザインアワード2023」で優秀賞を受賞した、中国のデザイナー・Guo Chenkai(カク・シンガイ)氏の作品を製品化したもの。
「EMBRACE NOTE」は中紙の罫線の色が左から右にかけて徐々に薄くなり、罫線と無地部分の境界を曖昧にすることで新しい使用シーンを生み出すノート。中紙のデザインは波打ち際をイメージし、罫線に書くものと無地部分に書くものが緩やかに混ざり合う。左側に文字、右側に図やイラストを描く使い方や、左側で思考の整理をし、右側で思考の発散をさせる使い方など様々な使い方が考えられる。情報を分けすぎず、そして混ぜすぎないことで、情報の多様さを受け入れつつ整理がしやすい、新しい形のノートとなっている。
審査員講評
2023年度のコクヨデザインアワードでは、「embrace」をテーマとし、社会が直面する課題や、人それぞれの違いを受け入れ、肯定することにより、見る人や使う人を前向きにする作品を募集した。最終審査時の審査員講評は以下の通り(一部抜粋)。
川村真司(Whateverチーフクリエイティブオフィサー)
最終審査のプロトタイプを見て、実際にページをめくりながら、ノートの罫線がグラデーションで消えていくことの意味や心理的な効果を実感でき、その細かいディティールを評価した。
田根剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects 代表 建築家)
最終審査のプレゼンテーションでの「波打ち際がゆらいでいる」という作者の言葉が印象に残っており、このノートを使うことでさまざまな思考が混ざり合い、創造的になれるイメージが浮かんだ。
田村奈穂(デザイナー)
規則的な線が消えていくさまは、未知の未来に対する期待感や、拘束から解き放たれていく感じがする。ふわっと透けながら消えるところが今の時代らしく、まさに「embrace」なノートといえる。
柳原照弘(TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO. CO LTD. クリエイティブディレクター・デザイナー)
現状は罫線と余白のボリュームがひとつだが、このノートならではの完璧なボリュームや比率を詰める余地がある。またシリーズとしての多様性もあり得ると思う。
吉泉聡(TAKT PROJECT 代表 デザイナー)
使い手を違う思考に誘ってくるような、書くことの予感みたいなものがあり、このグラデーションが心理に直接働きかける機能をもっていることが強く感じられた。
Guo Chenkai(カク・シンガイ)/ 「EMBRACE NOTE」デザイナー
中国出身。多摩美術大学大学院統合デザイン学科卒。現在は北京を中心に活動している。
コクヨデザインアワード
ユーザー視点のものづくりの推進を目的に2002年にスタート。近年は海外からの応募者が半数近くを占めるなど、国際的なコンペティションとして成長を続けている。 受賞作品の製品化検討を前提にしており、MoMAのパーマネントコレクションに認定されている「カドケシ」をはじめ、「本当の定規」、「白と黒で書くノート」などユニークな発想の製品を生み出している。近年では、2023年3月に製品化・発売された「スマートなダブルクリップ」が2023年グッドデザイン金賞を受賞するなど、次なる高い評価にもつながっている。また、製品化プロセスにおいて受賞者との協業を行うなど、若手デザイナーの成長の支援や活躍の礎づくりにも力を入れている。
「コクヨデザインアワード2025」のグランプリ・優秀賞を決定する最終審査は2025年3月15日(土)に開催される。表彰式・受賞者と審査員によるトークショーがコクヨデザインアワードYouTubeチャンネルでライブ配信される。詳細は公式サイトで確認できる。
「EMBRACE NOTE」製品概要
発売日 | 2025年3月19日(水) |
価格 | 900円(税抜) |
取扱店舗 | コクヨ直営店舗 THINK OF THINGS THE CAMPUS SHOP KOKUYODOORS コクヨ公式ステーショナリーオンラインショップ コクヨステーショナリー楽天市場店 |