存在の不確かさが創り出す新しい美学
「定まらないことの確かさ」。そんな逆説的な価値観をテーマに、鈴鹿墨を用いた抽象作品を発表し続けるアーティスト・梅澤璃桜による個展「yuragi」が東京 Space Wowで2025年9月2日から9月8日(月)まで開催される。メインのメディアとなるのは、三重県・鈴鹿市で受け継がれてきた伝統的工芸品・鈴鹿墨。その中でも希少な「色墨」の流動性と定着性のあいだで生まれる揺らぎの表情は、偶発と計画、混沌と秩序の狭間に宿る美を映し出す。
作品は鑑賞者の視線の動きや空気の揺れによって印象が変化する。常に「定まらない」その表情が、現代社会を生きる私たちに向けて、存在の根源に潜む不確実性や、心の中にある曖昧さを問いかけてくる。yuragiとは単なる技法ではなく、現代の感性に響く「美学」としての試みでもある。
梅澤 璃桜(うめざわ りおう)プロフィール
三重県生まれ。幼少期より画家・大浦峰郎に師事し、3歳から絵画を始める。中学卒業後、15歳で単身渡米。芸術高校および美術大学で本格的に絵画を学び、帰国後は関西を拠点に活動を開始。2014年に東京へ拠点を移し、同年「N.Y.インターナショナルアートフェスティバル」のファイナリストに選出。ニューヨーク・チェルシーのギャラリーで作品を展示した。油彩やアクリルを使ったタブローをはじめ、ミリペンによる細密画、銅版画、木口木版、リトグラフ、アッサンブラージュなど表現方法は多岐に渡る。現在は東京を拠点に、国内外で個展やグループ展を行うほか、フランス・パリ、シンガポール、韓国、香港、台湾など、アートフェアへの出展も多数。

「 yuragi」開催概要
| 会期 | 2025年9月2日(火)から9月8日(月)まで |
| 時間 | 11:00〜18:30(最終日は17:00閉場) |
| 会場 | Space Wow |
| URL | https://space-wow.jp/ |

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