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企画展「川内倫子：M/E　球体の上 無限の連なり」

滋賀県立美術館は、企画展「川内倫子：M/E　球体の上 無限の連なり」を2023年1月21日(土)から3月26日(日)まで開催する。川内倫子は1972年に滋賀県で生まれ、4歳までは滋賀、その後は大阪で育った。川内の写真は柔らかい光をはらんだ独特の淡い色調を特徴とし、初期から一貫して人間や動物、あらゆる生命がもつ神秘や輝き、儚さ、力強さを撮り続けている。川内の対象は、身の回りの家族や植物、動物、火山、氷河といった壮大な自然である。日常の儚くささやかな対象と、長い時を経て形成される大地の営みが、川内の独自の感覚でつながり、生命の輝きを放っているところに作品世界の大きな魅力がある。

川内倫子《無題》

川内倫子《無題》

川内倫子《無題》

タイトルでもある〈M/E〉は、本展のメインとなる2019年以降に撮影された新作のシリーズ。〈M/E〉とは、「母(Mother)」、「地球(Earth)」の頭文字であり、続けて読むと「母なる大地(Mother Earth)」、そして「私(Me)」でもある。アイスランドや北海道で撮影した火山や流氷と、コロナ禍で撮影された日常の風景とは、かけ離れた無関係のものであるが、どちらも地球の上でおこっており、川内の写真はそこにある繋がりを意識させる。本展は、人間の命の営みや自然との関係についてあらためて問い直す機会となる。

川内倫子《無題》

川内倫子《無題》

川内倫子《無題》

川内倫子《無題》

川内倫子《無題》

川内は写真集『うたたね』、『花火』(リトルモア、2001)の2冊で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞し、今日まで精力的に写真集の刊行や個展の開催を行ってきた。2022年11月には、国際的な写真賞であるSony World Photography Award 2023特別功労賞を日本人初受賞している。本展は、国内では6年ぶり、故郷である滋賀では、最初の大規模個展となる。この10年の活動に焦点を当て、未発表作品を織り交ぜながら川内の作品の本質に迫る。