模倣品対策ソリューション「du-al.io™」提供開始。スマートフォンで正規品判定 不正流通の防止や顧客エンゲージメントでの活用も視野に
凸版印刷は、2021年5月より中国市場に向けて提供を開始している「クラウド型ID認証プラットフォーム(以下 本プラットフォーム)」の日本市場での提供を開始した。本プラットフォームは、対象となる製品に貼付されたNFCタグなどのIDデバイスを消費者のスマートフォンで読み取ることで、真贋判定や不正流通の監視など、サプライチェーンの管理を可能とするものである。今回、凸版印刷製のNFCタグが搭載されるのは、人気フィギュアの「BE@RBRICK(以下 ベアブリック)」。模倣品被害の対策として今後の展開が期待される。
今回、本プラットフォームが採用されたのは、メディコム・トイと博報堂プロダクツが2022年7月20日に発表した模倣品対策ソリューション「du-al.io™(読み:デュアルドットアイオー)」。凸版印刷はメディコム・トイに、NFCタグと本プラットフォームの真贋判定機能を提供する。
「du-al.io™」が実装される最初の製品は、メディコム・トイが製造・販売するクマ型ブロックタイプフィギュア「ベアブリック」の、2022年7月23日に発売された3品目で、今後、対応したラインナップは拡大される予定。対象製品の右脚部分に凸版印刷のNFCタグが内蔵され、スマートフォンをかざすことで、正規品であることをその場で判定できる。本プラットフォームおよび凸版印刷製NFCタグが内蔵された「ベアブリック」は、2022年9月14日(水)から16日(金)に開催される「第24回 自動認識総合展」(会場:東京ビッグサイト)の凸版印刷ブース(西4ホール 小間番号A-17)に展示される。
模倣品対策ソリューション「du-al.io™」開発の背景
グローバル化、越境ECの普及による物流ネットワークの複雑化などを背景に、模倣品の流通がブランド企業にとって深刻な問題となっており、メディコム・トイも多数の「ベアブリック」模倣品被害に悩まされていた。凸版印刷は、模倣品が野放しになっていることによる市場損失、ブランド棄損といった自社の経営へのリスクと、ECサイトや量販店で正規品と誤認して購入する消費者側への悪影響を回避する解決策として、博報堂プロダクツと共同でリアルとデジタルの双方で検証可能な模倣品対策ソリューション「du-al.io™」を開発した。「企業とファンのエンゲージメントを強化するプラットフォーム」として、今後はコレクション性の高い玩具やアート、高級アパレル・時計・アクセサリー、高性能なスポーツ用品・アウトドア用品などへの活用が期待される。凸版印刷は、「du-al.io™」のキーとなる要素として、ハイセキュリティタイプのNFCタグと、「クラウド型ID認証プラットフォーム」の真贋判定機能をメディコム・トイに提供した。
「クラウド型ID認証プラットフォーム」の特長
本プラットフォームは、商品情報の提供や真贋判定、プロモーションなどのサービス提供と、収集したデータを活用したトレーサビリティや不正流通の監視など、サプライチェーンの管理を可能とするクラウド型サービス。凸版印刷は、QRコードやNFCタグ、UHF帯のRFIDなどの標準的なIDデバイスだけでなく、開封検知、再利用防止、金属対応、温度管理などの機能を搭載した機能性IDデバイスや、IDデバイスが一体化されたスマートパッケージの提供も行っており、企業の様々なニーズに対応したソリューションの提供が可能である。