テーマ・プロジェクト|ミュトスの対話

2019年度より開始したテーマ・プロジェクトでは、TOKASレジデンシーに滞在する以下3名のクリエーターが、「ミュトスの対話」という共通のテーマのもと、対話や議論の場を持ちながらそれぞれ個別に制作活動に取り組んだ。 多様なアイデンティティが交差する東京に滞在しながら、慣習や社会に隠された事象を神話(Myth)の語源である「ミュトス(Mythos)」という枠組みをとおして多角的に考察し、その成果をひとつの展示空間で構成し発表する。

参加アーティスト
大坪 晶|OTSUBO Akira

GHQの施策により戦後占領期に接収された関東の個人邸 宅を調査し、ダンサーと協働して写真や映像インスタレーションを制作。史実を寓話的な記憶として提示する。

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プロフィール
1979年兵庫県生まれ。神奈川県を拠点に活動。 2013年プラハ工芸美術大学写真学科修了。主な展覧会に「Shadow in the House」(ポートアート&デザイン津山、岡山、2019)、 「Shadow in the House」(京都市立芸術大学小ギャラリー、2018)。 

しまうちみか|SHIMAUCHI Mika

再開発が進む東京の街をリサーチし、合理化する社会のなかで消し去られていく野性に着目。埴輪に影響を受けた大型の彫刻作品やドローイングを展示します。

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プロフィール
1987年熊本県生まれ。熊本県を拠点に活動。 2013年崇城大学大学院芸術研究科修了。主な展覧会に「猛浪漫」(Shun Art Gallery、上海、2018)、「境界線からみえる風景」(WHITE SPACE ONE、福岡、2018)。

チャリントーン・ラチュルチャタ|Charinthorn RACHURUTCHATA

仏教国タイで生まれ育ったラチュルチャタは、女人禁制の区域や参道がある霊山、大峰山をテーマに、仏教の教義が持つ父権的な構造を探求するインスタレーションを発表します。

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プロフィール
1982年バンコク生まれ。バンコクを拠点に活動。 2006年スコータイ大学コミュニケーション・アーツ専攻卒業。主な展覧会に「STRATA PhotoBangkok Pop-Up Exhibition」(BACC、バンコク、2018)、「Kaohsiung Photo 2018」(Pier2 Art Center、高雄、台湾、2018)。 

「デイジーチェーン」展 第2期:2020年8月22日(土)~9月27日(日)

参加アーティスト
有川滋男|ARIKAWA Shigeo

ベルリンに住む難民の現状を調査した有川は、ベルリンの石畳に使われている玉石をマテリアルとして用いた映 像インスタレーションを制作。シリア人男性が「石を積む」行為を通して、多様な解釈を織り込みながら、個人 の物語を重層的に提示する。

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プロフィール
1982年東京都生まれ。アムステルダムを拠点に活動。2006年東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業。主な展覧会に「開館30周年記念特別展: 美術館の七燈」 ( 広島市現代美術館 、2019)、「 Buried Suns」(Galerie Mazzoli、ベルリン、2019)。 

石塚まこ|ISHIZUKA Mako

流動する人々の生活における言語と文化の越境にまつわるプロジェクト「追熟と訛り」に取り組む石塚は、さまざまな場所でその土地の人々を巻き込みながら有機的に展開してきた施行を映像インスタレーションとして展示する。

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プロフィール
兵庫県生まれ。ストックホルムと兵庫県を拠点に活動。2005年ルンド大学マルメ・アート・アカデミー自由美術専攻修了。主な展覧会に「グローバリゼーションの中の不和」(フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)、パリ、2017-2018)、「MOTサテライト 2017 秋 むすぶ風景」(東京都現代美術館)。 

今村 綾|IMAMURA Aya

社会的・宗教的な図像学に関心を持つ今村は、視覚実験 《Can We Look at Each Other?》を映像インスタレーションとして発表。光とガラスによる全反射を利用した本作は、向かい合う二人が互いを同時に見られない状況を生み出し、人種、 ジェンダー、身体など、個人の差異と同一性を想起させる。

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プロフィール
1982年京都府生まれ。ベルリンを拠点に活動。 2008年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了。 主な展覧会に「ポーラ ミュージアム アネックス展 2018 -イメージと投影-」(ポーラ ミュージアム アネックス、東京)、 「History is Ours -メディアにおける女性像」(ベルリン日独センター、2017)。

高石 晃|TAKAISHI Akira

閉鎖された空間に穴を開けることによって、意識や知覚の構造モデルを提示する高石は、歴史的な海上要塞として知られるスオメリンナ島をリサーチし、ドックの底に城壁の形を模した彫刻を制作しました。本展では、彫刻が海に沈んでいく過程を記録した映像や、リサーチに基づくアニメーションを展示します。

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プロフィール
1985年神奈川県生まれ。東京都を拠点に活動。2010年武蔵野美術大学大学院美術専攻油絵コース修了。主な展覧会に「下降庭園」(clinic、東京、2019)、「紅櫻公園アートアニュアル 2018」(北海道)。

橋本 仁|HASHIMOTO Jin

日本統治時代に台湾で生まれ育った日本人「湾生」についてリサーチを行った橋本は、対岸をテーマに展示スペースを構成。台湾/日本、過去/現在といった時空間の溝を可視化し、歴史という大きな流れによって分断された二つの国を抽象的に表現する。

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プロフィール
1984年埼玉県生まれ。埼玉県を拠点に活動。2014年東京藝術大学美術学部工芸科修了。主な展覧会に「Memory Code」(Kuo Mu Sheng Foundation、台北、2020)、「Memento mori」(ギャラリータグボート、東京、2019)など。

マルティナ・ミレル|Martyna MILLER

自身の記憶を起点に、日本の鯉の起源や文化的概念について人類学的視点で調査を実施。あらゆる種は水を介し て繋がっているという考えに基づき制作した映像作品 《Memory Carp》を中心に、水中にいるような感覚を引き起こす没入型のインスタレーションを展開する。

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プロフィール
1988年ケントシン(ポーランド)生まれ。ワルシャワを拠点に活動。2019 年ポズナン芸術大学博士課程修了。主な展覧会に「Dream of a turtle」(European Solidarity Centre、グダニスク、ポーランド、2019)、「Niepodległe. Women, Independence and National Discourse」(ワルシャワ近代美術館、2018)。 

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