気鋭の作家36名による、東海地域の大規模な現代陶芸展が愛知県陶磁美術館で開催
愛知県陶磁美術館にて、国際芸術祭「あいち2022」の連携企画事業として、特別展「ホモ・ファーベルの断片 ―人とものづくりの未来―」が2022年7月16日(土)から10月2日(日)まで開催される。人の創造性をテーマに、創造の前提となる「素材」、培われてきた「技」、形成されてきた「場」に焦点を当て、東海地域の現代陶芸を紹介し、人とものづくりの関係性を再考する。
素材・技・記憶から紡ぎ出される「東海陶芸の現在」を見よ
フランスの哲学者アンリ=ルイ・ベルクソンは、道具のための道具を製作すること、あるいはその製作に変化をこらしていく能力(創造性)が人の知性の本質であると指摘し、創造性をもつ人をホモ・ファーベル(工作人)と定義した。やきものはその原初を辿れば、人が知性の本質に従って創造した道具であり、今なお人の営みにあわせてつくり続けられている。なかでも現代陶芸は、作り手の自由な意思行為にもとづく造形として展開され、時代を映す多様なあり方を示していることから、「ホモ・ファーベルの断片」として捉えることができる。
東海地域には豊富な天然資源があり、ありとあらゆるやきものをつくり出して人々のくらしを密に支えてきた。本展では人の創造性をテーマに、創造の前提となる「素材」、培われてきた「技」、形成されてきた「場」に焦点を当てる。そしてこの3つの観点から、当地域の現代陶芸を紹介し、人とものづくりの関係性を再考する。
国際芸術祭「あいち2022」と同時期開催の連携企画事業
本展は愛知県の誇る歴史、地場産業、伝統文化の再発見をコンセプトの一つに掲げている国際芸術祭「あいち2022」と同時期に開催し、連携イベント等を行うことで、この地域の陶磁文化を国内外に発信していく。2022年7月16日(土)13時からの記念シンポジウムには、7月30日(土)の開幕が迫る国際芸術祭「あいち2022」の芸術監督である片岡真実も出演する。
記念シンポジウム
パネラー:片岡真実(森美術館館長/国際芸術祭「あいち2022」芸術監督)、内田鋼一(陶芸家/造形作家/アートディレクター、本展参加作家)、佐藤一信(愛知県陶磁美術館館長)
日時:7月16日(土) 13:00-14:30
会場:本館地下1階講堂
定員:100名(事前申込不要、当日先着順、聴講無料)
主な展示作品
第Ⅰ章 「創造の源泉 ―素材―」
やきものづくりの原点となる素材(土・釉薬・焼成)の観点から10名の作家を紹介する。
植松永次、奥直子、加藤清之、桑田卓郎、柴田眞理子、田中陽子、田中良和、横田典子、吉川正道、渡邉太一郎
第Ⅱ章 「 ars (アルス) ―技法/技術―」
東海地域に根ざす技法、あるいは先端の技術という観点から16名の作家を紹介する。
伊藤雅風、伊藤秀人、井戸真伸、小形こず恵、加藤孝造、清水潤、鈴木藏、鈴木徹、上知之介、樽田裕史、長江重和、林恭助、前田正剛、水野教雄、森克徳、山浦陽介
第Ⅲ章 「場 ―記憶/原風景―」
人々が集うことで形成されてきた「場」や、場に刻まれた「記憶原風景」に着目し、10名の作家を紹介する。
安藤正子、伊藤慶二、岩村遠、内田鋼一、川田知志、酒井智也、戸田守宣、中田ナオト、松永圭太、松藤孝一
「ホモ・ファーベルの断片 ―人とものづくりの未来―」開催概要
会期 | 2022年7月16日(土)~10月2日(日) |
会場 | 愛知県陶磁美術館 本館1階 第1・第2・第7・第8展示室、南館、古窯館、芝生広場 |
休館日 | 毎週月曜日 ※ただし7月18日(月・祝)/9月19日(月・祝)は開館、7月19日(火)/9月20日(火)は休館 |
開館時間 | 午前9時30分~午後5時 ※ただし、7月16日(土)は開会式のため、本館の観覧は午前11時から |
観覧料 | 一般 900円、高大生 700円、中学生以下無料 ※各種割引制度については陶磁美術館公式ページを参照 |