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ブルガリがミラノデザインウィークにて「メタモーフォシス」展を開催

ブルガリはデザインウィークに合わせ、ミラノ市立近代美術館(GAM)で「メタモーフォシス(Metamorphosis)」展を2021年9月6日から開催し、芸術振興の取り組みを継続する。例外的なスケジュールで開催されることが決まった2021年のデザインウィークにおいてブルガリが携わる重要なイベントとなる。本展覧会は非常に独創的な会場のセットの中、先駆的な精神と共にメタモーフォシス(変容)の世界を旅するというもので、ミラノ工科大学の正教授であるアルバ・カッペリエーリによるアート面の指揮の下、あらゆる文化において変容と再生の象徴とされる蛇を題材とする物語や神話を語る。

この展覧会のために、アン・ヴェロニカ・ヤンセンズ東信ダーン・ローズガールデ、そして建築家のヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンの4人の国際的アーティストがそれぞれのクリエイティブな表現法を通じて「メタモーフォシス」というテーマを解釈し、この会場ならではのインスタレーションを制作した。

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東信 《The garden of Eden(エデンの園)》

東信 《The garden of Eden(エデンの園)》

花や果物、草木などの自然物を用いたユニークで先駆的な造形作品で知られる日本人アーティストの東信が、「エデンの園」を独自の解釈で表現。銅で作られた1本の幾何学的な木で葉となる部分が自然への敬意を表している。この葉を表現するために選ばれた果物や花、草が幹や枝の幾何学的な厳格さとのコントラストを生み出している。木はガラス製のプラットフォームの中央にそびえ立っており、来場者はガラスの上を歩くことができる。インスタレーションに使われている自然物はすべて生き物であるため、時間の経過とともに形や色、匂いが変化する。来場者が生花で構成された人工的な環境に浸ることで、時間の経過という概念を感じるものとなっている。

東信 《Golden Eden(黄金の楽園)》

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東信 《Golden Eden(黄金の楽園)》

2021年のデザインウィークに合わせてブルガリ ホテル ミラノのために制作された特別なフラワーインスタレーション“Golden Eden”はブルガリのアイコンである「セルペンティ」を取り巻く自然環境を解釈したもの。3m x 3mの左右対称の構造によって再現された貴重な楽園の世界で、エキゾチックな季節の花で作られたボタニカル・スカルプチャーが宙に浮いている。花の半分をゴールドのコーティングで覆った特殊な仕上げにより、この作品の本質が時間の中に閉じ込められている。

ダーン・ローズガールデ 《Lotus Oculus》

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ダーン・ローズガールデ 《Lotus Oculus》

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ダーン・ローズガールデ 《Lotus Oculus》

ミラノデザインウィークで初披露されるダーン・ローズガールデの《Lotus Oculus(蓮の目)》は光と熱に反応するスマートフォイルで作られた何百もの花で構成される生きたアート作品。古代ローマのパンテオンからインスピレーションを得たこのインスタレーションは、自ら展開し、揺らめく光と動きを生み出す。《Lotus Oculus》はスタジオ・ローズガールデがブルガリと対話を重ねながらデザインしたもので、ミラノデザインウィークの一環としてミラノ市立近代美術館に設置される。このインスタレーションは壮大なパンテオンにもオマージュを捧げており、動きと影が際立つ有機的な構造を作り出すことでこの遺産を継承している。

アン・ヴェロニカ・ヤンセンズ 《gam gam gam》

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アン・ヴェロニカ・ヤンセンズ – gam gam gam

アン・ヴェロニカ・ヤンセンズは1980年代末から光や色、自然の光学現象をベースにした作品を展開。ガラス、鏡、ゴールドなどの厳選された素材が持つ特性や、フォルムや光を使って絶えず実験し、私たちの現実認識を揺さぶりながら、ミニマルなモチーフと華麗な色彩による表現を繰り返し生み出している。今回の展覧会でヤンセンズは会場の特性を生かし、自然光を利用したインスタレーションと、会場の建築物のマキシマリズムや壮麗な装飾とのコントラストが際立つミニマルな美学を特徴とした一連の新作をデザインした。「gam gam gam(ガム・ガム・ガム)」の展示には、この部屋の窓のために特別に製作されたゴールドカラーのベネチアンブラインドや、光学的な物理現象を利用して見る人の知覚を拡張する6つの「アクアリウム」などがある。


ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン 《Shelter》

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ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン – 《Shelter》

建築家ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンは瞑想的な空間、避難し、静寂を見つけるための隠れ家を作成。シンプルなフォルムと贅沢な素材で構成される建築的な要素は、反射を通じて空間を変容させ、新たな軌跡を生み出している。このインスタレーションは、木の床のデザインから始まり、表面と壁の構成へと発展し、シルバーからゴールドまでさまざまなメタリックカラーで覆われた迷宮を作り出している。展示エリアの中心に置かれたシンプルな形状の巨大で頑丈な躯体は、余計なものがない建築的なフォルムのシンプルさと、豪華さやマキシマリズムといった考え方が結びついて生まれたもの。洗練されたバランスのとれた空間で、クリエイティブの両極が揃っている。またインスタレーションはすべて、金属、花、水、ガラスなど自然の素材で作られており、循環型経済のアプローチに沿って、それぞれに寿命があるという考えの元、長年にわたって再利用されるように作られている。