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チームラボが長年追求しているアートコンセプト「超主観空間」による複数の作品をペース・ギャラリーに展示

アート集団チームラボの個展「teamLab: Life Survives by the Power of Life」がニューヨークの国際的なメガギャラリー「Pace Gallery (ペース・ギャラリー)」のイースト・ハンプトン支店で2021年9月30日(木)から10月31日(日)まで開催される。本展ではチームラボが長年追求している独自のアートコンセプト「超主観空間」による複数のディスプレイ作品を展示する。「超主観空間」とは一見すると平面的と言われがちな近代以前の東アジアの古典絵画の空間認識の論理構造を、デジタルという新たな方法論で紐解いたもので、作品空間と鑑賞者がいる空間との間に境界が生まれず、視点が固定されない”平面”を創り出している。

展示作品

《生命は生命の力で生きている II - Life Survives by the Power of Life II》

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《生命は生命の力で生きている II - Life Survives by the Power of Life II》
teamLab, 2020, Digital Work, 60 min (loop), Source Calligraphy: Sisyu

生命や生きることを意味する漢字「生」を、チームラボが設立以来書き続けている空間に書く書、"空書"で立体的に書いている。書の墨跡が持つ深さや速さ、力の強さのようなものを、新たな解釈で空間に立体的に再構築し、「超主観空間」によって2次元化している。レンズや遠近法で切り取った作品空間はディスプレイ面の向う側に作品空間が出現する。「超主観空間」で切り取ったこの作品空間はディスプレイ面が境界とならない。この作品空間は、ディスプレイ面を超えて鑑賞者が存在する空間まで立体的に存在しているかのように認知される。

《憑依する炎- Universe of Fire Particles》

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《憑依する炎 - Universe of Fire Particles》
teamLab, 2021, Digital Work, Single channel, Continuous Loop

炎は物質ではなく、燃焼することによって発生する光や熱の現象であり、燃焼と呼ばれる化学反応を見る時の私たちの感覚的な経験である。人々は、感覚的な経験である炎をひとつの物体のように認識し、時にはそこに生命を感じる。燃焼する気体の分子の動きによって空間上に線を描き、その線の集合で炎を描き、その線の集合体を「超主観空間」によって平面化して炎を描く。スマートフォンアプリ《teamLab: FIRE》を持ってこの作品の炎に近づくとスマートフォンに炎がともり、作品を持ち帰ることができる。その炎を、他の人のアプリ《teamLab: FIRE》に近づけると炎がつながっていく。共有され広がっていく炎群全体、そして自分から分けて広がっていく炎群がアプリ内の地図に描かれていく。

《Impermanent Life, 時空が交差する場所には新たな時空が生まれる》

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《Impermanent Life, 時空が交差する場所には新たな時空が生まれる - Impermanent Life, at the Confluence of Spacetime New Space and Time is Born》
teamLab, 2018, Digital Work, Single channel, Continuous Loop

背景では、桜が咲いては散り、生と死を繰り返す。そして、背景の複数の点から、一定のリズムと特定の間隔で放射状に広がるように円が生まれ大きくなっていく。生まれてくる円は、背景の世界の明暗だけを変える。

《Gold Waves》

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《Gold Waves》
teamLab, 2017, Digital Work, 6 channels, Continuous Loop

コンピューター上の空間で、三次元上の水の動きをシミュレーションし波を構築している。水は無数の水の粒子の連続体で表現し、粒子間の相互作用を計算している。そして、水の粒子の挙動で線を描き、三次元上の波の表層に線を描いている。立体的に描かれた線の集合を「超主観空間」によって平面化し、映像作品にしている。「なぜ、前近代の人々が川や海そのものに生命を感じていたかのようなふるまいをしていたのか?」自然とは観察の対象ではなく「自分自身も自然の一部である」と考えていたかのようなふるまいは、単に、かつての人々の見え方が、川や海のような自然の一部を生命体のように見せ、自然の一部にすら憑依させてしまいやすい見え方だったからではないだろうか。つまり、自然と自分との境界がないような感覚になりやすい見え方だったからではないだろうか。

《花と人 - A Whole Year per Hour 》

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《花と人 - A Whole Year per Hour 》
teamLab, 2020, Interactive Digital Work, 8 channels, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

1時間を通して1年間の花々が移り変わっていく。花は誕生と死滅を永遠に繰り返し続けていく。人々が作品の前で動くと花はいっせいに散っていくが、じっとしていると花はより多く生まれ咲き渡っていく。作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。人々のふるまいの影響を受けながら、永遠に変化し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。自然と人間は対立した概念ではなく、心地良い自然とは、人の営みも含んだ生態系なのであろう。そして、近代とは違った、自然に対して、人間が把握したり、コントロールしたりできないという前提の自然のルールに寄り添った人の長い営みこそが、この心地良い自然をつくったのではないだろうか。

ペース・ギャラリー

ニューヨーク・チェルシーにある美術館レベルの旗艦店をはじめ、ロンドン、香港、パロアルト、ソウル、ジュネーヴなどに9つのギャラリーを運営している世界3大メガギャラリーのひとつ。1960年にアーネ・グリムシャーによって設立されて以来、20世紀以降の最も影響力のある現代アーティストや現代アートを扱い、アート界の主要プレーヤーとして拡張を続けている。チームラボは2014年からペース・ギャラリーに所属している。

「teamLab: Life Survives by the Power of Life」展 概要

会期2021年9月30日(木)から10月31日(日)まで
会場ペース・ギャラリー (68 Park Place, East Hampton, NY)
時間火曜日~土曜日 11:00-18:00、日曜日12:00-17:00
入場料無料