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ブルガリが協賛する若手アーティストの支援・育成プロジェクト「MAXXI BVLGARI賞」受賞はトマソ・デ・ルカ

第2回MAXXI BVLGARI賞の授賞式が2021年5月13日にローマで催され、エルリンを拠点に活動するトマソ・デ・ルカが受賞を果たした。当賞は、MAXXI(イタリア国立21世紀美術館)と、130年以上にわたりイタリアン・エクセレンスを象徴してきたブルガリが協賛する、若いアーティストを支援、育成するプロジェクト。adf-web-magazine-bvlgari-maxxi-1

授賞式には3名のファイナリスト、ジュリア・センシ、レナート・レオッタ、トマソ・デ・ルカと、ブルガリ グループCEOのジャン-クリストフ・ババン、MAXXI 財団理事長のジョヴァンナ・メランドリ、MAXXIの芸術監督兼国際審査員のホウ・ハンルー、MAXXI館長兼国際審査員のバルトロメオ・ピエトロマーチが出席。

3名の審査員、マヌエル・ボルハ・ビジェル(マドリードのソフィア王妃芸術センター館長)、エマ・ラヴィーン(パリのパレ・ド・トーキョー館長)、ヴィクトリア・ノーソーン(ブエノスアイレスの近代美術館館長)は、ビデオメッセージで授賞式に参加。「私たちの時代を浮き彫りにし、未来に思いをはせる力強い作品」、デ・ルカの自由と多様性への思い、センシの黙示録的な彫刻作品、レオッタの沈黙と停止した時間、を作り出し、ホウ・ハンルーが言うように「アートを命あるものへと近づけた」3名のアーティストを高く評価した。

トマソ・デ・ルカの作品「A Week's Notice(1週間前の通告)」は、人類の財産であるあらゆる多様性を表現したものであり、繊細な詩情、完成度、倫理・社会・政治との関係性を評価され、観客からも多くの支持を集めた。観客は、美術館チケット売り場に好きな作品を書いたハガキを返送する形で投票。新型コロナウイルス感染防止対策による二度の休館で、展示期間が短縮されたにもかかわらず、多くの人々から熱意ある投票があり、僅差で受賞者が決まったことから分かるように、ジュリア・フェラーチによるキュレーションで展示された3作品すべてが高く評価された。よって、3名のファイナリストが見せたコミットメント、忍耐力、プロ意識を鑑み、この極めて切迫した不安定な時代に若い現代アーティストを支援する具体的なメッセージを送るため、MAXXIアートコレクションとして、作品取得対象をファイナリスト3名全員に拡大することが決まった。

ファイナリスト紹介

トマソ・デ・ルカ

1988年ヴェローナ生まれ、ベルリンを拠点に活動。「A Week’s Notice」は3つのチャンネルを使用した映像と音によるインスタレーションであり、映画、建築の歴史、本人の私生活から抜き出した家のミニチュアが飛び、壊れ、狂乱状態になり、停止する。そこには不安定性の中に美しさを探し求め、トラウマを創造の土台にした建築物の崩壊に対する思いが込められている。

ジュリア・センシ

1988年コルトナ生まれ、アムステルダムとトスカーナを拠点に活動。「lento-violento(ゆるやかな暴力)」は4つの彫刻群から成る大きなインスタレーション。空間に広がるようにつり下げられたプラスチック製の4つの彫刻群が観客の視点を常に変化させ、半人半獣の姿の不安定な混成の世界を提示する。adf-web-magazine-bvlgari-maxxi-2

 レナート・レオッタ

1982年トリノ生まれ、トリノおよびシチリア州アチリアーレを拠点に活動。作品「Roma and Fiumi(ローマと川)」は、16mmフィルムで撮影した12本の映像が美術館の空間内に設置された12のスクリーンに映され、あたかも都市の遺跡を歩くすばらしい散策の時を思わせる。

 MAXXI BVLGARI賞について

2000年に「Premio per la Giovane Arte」として創設されたこの賞はMAXXIアートコレクションの出発点であり、誕生を意味するものになった。長年にわたり、多くのアーティストにとって重要な飛躍のきっかけとなる役割を果たしてきた。2001年から2020年まで9回の賞に45名のアーティストが参加している。