NY WhIsBeの巨大パブリックアート、韓国「ARTE MUSEUM」初の海外展示、草間彌生回顧展など
近年、世界的なアート施設が次々と建設されるなど、アートの新たな体験の場を提供し続ける香港は、世界におけるアートやカルチャーシーンでその存在感を強めている。2022年秋の香港には、新しいアートと文化のプログラムが目白押し。世界的に有名なアーティストから、香港のランドマークに展示された最新のパブリックアートインスタレーションまで、街中で行われる展覧会やイベントを紹介する。
高さ8メートルの巨大グミベア
開催時期:2022年11月17日~2022年12月中旬
開催場所:尖沙咀(チムサアチョイ)時計台付近
主催:ファースト・イニシアチブ財団
尖沙咀の象徴的なランドマークである時計塔の横で、大規模なパブリックアート展「TICK TOCK, TICK TOCK」が開催。著名なアメリカ人アーティストWhIsBeの最大のアート作品となる、高さ8mを超える巨大な赤いオブジェが展示される。3階建ての高さに相当するこのオブジェは、おなじみのグミベアの顔に恐竜の特徴を取り入れることで、現代的なフォルムと先史時代の要素を織り交ぜている。また、香港の象徴であるハーバーフロントには、高さ2.5メートルの小さなコガモの彫刻も展示される。この2つの彫刻には、ARやInstagramフィルターなどのデジタル技術を使って形に残す仕掛けも施されている。
K11 HACCの没入型メディアアート展 ARTE M
開催時期:2022年10月7日~2023年12月
開催場所: K11 ATELIER King’s Road内 K11 HACC 2階
韓国の没入型メディアアート展示館「アルテミュージアム(ARTE MUSEUM)」の初の海外拠点となる期間限定展示「ARTE M」が、K11 ATELIER King's RoadのHK11 HACCにて15か月間に亘って開催される。制作したのはソウルのCOEXで大好評だったパブリックメディアアートインスタレーション「WAVE」を手がけた、韓国のデジタルデザイン会社d'strict。また本アート展は、「永遠の自然(Eternal Nature)」をコンセプトに6つのメディアアート作品を集め、2023年末から2024年初めにかけて11 SKIESに場所を移し常設展示する予定。その後も、さらに作品が追加される予定だ。
ヴィジュアル・カルチャー美術館「M+」の開館1周年を記念した「Yayoi Kusama: 1945 to Now」
開催時期:2022年11月12日~2023年5月14日
開催場所:M+ (西九龍文化地区)
M+では、開館1周年を記念して、「Yayoi Kusama: 1945 to Now」を開催。本展覧会は、草間彌生の日本以外のアジア最大の回顧展となり、アジア、ヨーロッパ、アメリカの美術館や個人コレクションの主要作品、M+ Collection、作家自身のコレクションから200点以上の作品が展示される。3つの新作もM+のそれぞれのフロアで公開される。
香港故宮文化博物館主催「Odysseys of Art: Masterpieces Collected by the Princes of Liechtenstein」展
開催時期:2022年11月9日~2023年2月20日
開催場所:香港故宮文化博物院 ギャラリー8
本展覧会は、リヒテンシュタイン侯爵家コレクションから120点以上の貴重な宝物を香港で初めて公開するもの。8つのセクションに分けられ、歴代の侯爵のユニークな美術品収集活動と、過去400年にわたり中国の芸術文化がヨーロッパの装飾美術や建築に与えた深い影響について掘り下げ、コレクションに新たな光を当てている。
名画に命を吹き込む“En Voyage with Claude Monet”
開催時期:2022年10月27日~2023年1月15日
開催場所:西九龍文化地区カルチャープラザ(文化廣場)
フランス画家クロード・モネの世界を体験できる360度の音と光のショー「En Voyage with Claude Monet」が香港で初めて開催。ベルギーのクリエイティブスタジオ Dirty Monitorと地元のアートテックオーガナイザーChillHoYeahがキュレーションした。36分間かけて印象派の名前の由来となった絵画 「印象・日の出(Impression, Soleil Levant)」 (1872年) など約200点のモネの傑作を辿る。