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西陣織がデジタルアートに。阪急梅田ギャラリーにて「MILESTONES-余白の図案」が開催

阪急うめだ本店 9階の阪急うめだギャラリーでは、京都・西陣に残された帯図案が持つ「余白」のデザインに注目し、それらをデジタルアーカイブ化したものを使ったアート作品を展示・販売する展示会「MILESTONES-余白の図案」を、2022年9月21日(水)から26日(月)まで開催する。
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西陣織の老舗「細尾」は、2014年から京都芸術大学『MILESTONES』プロジェクトとして、次世代が活用できるアイデアソースとするため、約2万点に及ぶ帯図案のデジタルアーカイブに取り組んできた。本展では、これらのデジタルアーカイブを活用し、コンピュテーショナルデザイナー/プログラマーの堂園翔矢によって新たな図案を生成、それらにクリエイティブ・ユニットSPREADが着彩した図案をインスタレーションとして展示する。

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鮮やかな床面のインスタレーション空間は白い壁面に反射し、余白とは余った部分ではないということを表現している

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作品の一部〈左から 元図案、着彩、ピクセル〉

“図案”という言葉は、京都における工芸の近代化の中で、明治期に“デザイン”の訳語として生まれた。以来、図案をベースにした工芸の創作活動は、一般に普及していった。西陣織もその例に漏れず、約20もの分業された工程の一番はじめが図案の作成である。本展で紹介する約2万点の図案は、下書きにあたる未着彩の図案。何世代にもわたり受け継げるように着彩したものは残さず、時代時代の色を入れていく余地を残している。

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帯図案

本展では、帯図案を使った7点のピクセルアート作品販売と、50点の帯図案と7色のカラーからそれぞれを選ぶオーダー作品の受注を行う。また、MILESTONES余白の図案のNFTを各日限定100名にプレゼントする。adf-web-magazine-hankyu-umeda-gallery-milestones-yohakunozuan-nishijinori-7

また、同時開催されている「“NISHIJIN(西陣)”の美意識」では、1,200年の歴史をもつ西陣織の長きに渡り継承されてきた伝統芸術の美と魅力を紹介している。「梅垣織物」や「紋屋井関」、「桝屋高尾」など西陣を代表する老舗織物の帯や西陣お召しを特集。

MILESTONES プロフィール

京都芸術大学との産学連携のプロジェクト。 細尾が所蔵する約2万点の伝統的な図案をデジタルアーカイブすることで後世に残すとともに、学生のダイナミックな感性で帯図案を新しいデザインに展開することを目指し発足。参加する学生は、細尾真孝(同社代表取締役社長)の主導のもと 代々受け継がれてきた手書きの帯図案を一枚一枚手作業でスキャニングし、デジタルアーカイブ。また、各図案 (吉祥文様や季節のモチーフなど) に込められた意味のリサーチを進めている。

堂園翔矢 プロフィール

コンピュテーショナル・デザイナー/プログラマー。1988年生まれ、東京都在住。データやアルゴリズム、機械学習を用いた領域横断的なデザインやリサーチを中心に活動。直近のプロジェクトに深地宏昌との共作「4D DRAWING」(2021) 西陣織の老舗・細尾との共同研究開発 「Quasicrystal」(2020) がある。アルスエレクトロニカ、文化庁メディア芸術祭など受賞多数。

クリエイティブ・ユニットSPREAD プロフィール

山田春奈と小林弘和によるユニットで、長い時間軸で 環境を捉えるランドスケープデザインの思考と鮮烈な印象を視覚に伝えるグラフィックデザインの手法を融合。環境・生物・物・時間・歴史・色・文字、あらゆる記憶を取り入れ「SPREAD = 広げる」 クリエイティブを行う。主な仕事に「国立新美術館開館10周年」記念ビジュアル工場見学イベント 「燕三条 工場の祭典」 など。

細尾 について

細尾は、元禄元年(1688年)、京都西陣において大寺院御用達の織屋として創業。京都の先染め織物である西陣織は1200年前より貴族をはじめ、武士階級、さらには裕福な町人達の圧倒的な支持を受けて育まれる。現在は帯やきものといった伝統的な西陣織の技術を継承しながら、革新的な技術とタイムレスなデザイン感性を加えることによって唯一無二のテキスタイルを生み出し、国内外のラグジュアリーマーケットに向けて展開している。

「MILESTONES-余白の図案」開催概要

会期2022年9月21日(水)~26日(月)
会場阪急うめだ本店 9階 阪急うめだギャラリー