銀座「RICOH ART GALLERY」にてグループ展「Expanded Images 拡張するイメージ」を開催
アーティストの想像力とリコーのテクノロジーが出会う場、RICOH ART GALLERYにて、イメージの新たなパラダイムについて考察するグループ展「EXPANDED IMAGES 拡張するイメージ」が2022年1月15日より開催される。リコーがアート作品のために開発した2.5次元印刷技術、StareReap(ステアリープ)を使用し、フランスを拠点に活動する4名のアーティスト、フィリップ・デュラン、ジュスティーヌ・エマール、村上華子、マリルー・ポンサンが制作した、本展が初公開となる作品を集めた。美術批評家・キュレーターであり、フランス国立造形芸術センター(CNAP)の写真コレクション責任者のパスカル・ボースが芸術アドバイザーを務める。
本展の4名のアーティストは、今日イメージを想像し作り出すには多様な方法があることを示してくれる。各人各様の方法で、革新的な印刷技術とのコラボレーションの試みを通じて、「拡張するイメージ」として新たな写真のエクリチュールの考察に寄与している。同時に、デジタルイメージの氾濫する現代の文脈における物質性と非物質性の可能性も思索する。

Justine Emard, The First Dream / Hatsuyume (Le Rêve Premier), 2021 (c) Justine Emard / Adagp, Paris 2021
また、世界的なパンデミックによる渡航制限や芸術文化施設の閉鎖などがあっても、「EXPANDED IMAGES」展で採用された新しい制作プロセスによって遠隔地とのコラボレーションが可能となり、アートの作品制作の活性化を促すと同時に、国際的な展覧会の実施も可能となった。
アーティストステートメント
フィリップ・デュラン
洞窟を理解することは、時間が止まったままのような錯覚をおぼえる閉じられた宇宙、自然が生み出した驚異的な建造物と記号の量化された総体から出発することです。この作品で、私はあえて客観的な表現を避け、より親密で主観的な洞窟を写し出そうとしました。
ジュスティーヌ・エマール
この作品の制作過程は、夢の痕跡を形にすることにあります。夢という人間の精神の中にあるものを、物理的な物質へと変換するのです。パリの睡眠と覚醒研究所の協力を得て、私は一晩の睡眠中に発される自分の脳の電気信号を記録しました。明晰夢にも似た日本の伝統的な「初夢」にみる慣習にもならい、私は自分の夢のデータが示すスペクトルに基づいて、イメージを形成し、2.5D印刷しました。
村上華子
リュミエール兄弟により発明された、カラー写真黎明期の「オートクローム」はガラス板を支持体とし、彩色されたジャガイモのデンプンの粒々がピクセルの役割を果たしていました。点描画を思わせるデンプンの粒の一つひとつは人工的に赤オレンジ、緑、青紫の三色に染められ、そのネットワークは図らずも、人間の網膜における視覚細胞のそれと同じだったということです。
マリルー・ポンサン
そのタイトルが示しているように、この作品は若い女性たちの身体の内部を構成していると思われるマチエールを隠喩的に形にしたものです。X線やマクロ撮影された写真のように、体内の有機物質が目に見える形でとらえられていますが、そこには液体、スパンコール、切り抜き画像、アクセサリー、付け睫毛、その他の雑多な残留物が固まっています。アイロニーと同時に愛おしさをこめて、私は自分もその中で成長した女性性への先入観を解体しようとしているのです。
「EXPANDED IMAGES 拡張するイメージ」開催概要
会期 | 2022年1月15日(土) - 2月10日 (木) |
会場 | RICOH ART GALLERY LOUNGE |
営業 | 12:00 - 19:00 ※最終日は18:00まで |
休廊日 | 月・日・祝 |
ウェブページ | https://bit.ly/3H7ygSV |