カルティエ現代美術財団の依頼で横尾忠則が描き上げた肖像画シリーズが、21_21 DESIGN SIGHTギャラリーにて展示
カルティエ現代美術財団は、2021年7月21日から10月17日(日)までの期間に、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて、「横尾忠則:The Artists」展を開催する。アーティスト、哲学者、科学者など、当財団の依頼で横尾忠則が描いた肖像画のシリーズ全139作品が織り成す星座は、カルティエ現代美術財団というフランスの文化機関の歴史を刻んだ人々へのオマージュとなっている。横尾は人物の特異性を生かし、キャンバスを芸術的な実験の遊び場に変え、ユニークなキャラクターの個性を表現。横尾の計り知れない独創的な才能をまとめて展示する肖像画ギャラリーが出現する。
肖像画の回廊
2014年、カルティエ現代美術財団が設立30周年を迎えるにあたり、横尾忠則を招き、1984年の創設以来、財団における展覧会の歴史として刻んできた人々の肖像画を依頼した。横尾はこの挑戦に自由闊達に向き合い、日に1作品か2 作品、ときに3 作品というペースで3ヶ月の時間をこの肖像画の制作のみに費やし、石上純也や川内倫子、アニエス・ヴァルダ、蔡國強など、世界中の芸術家や思想家、批評家や科学者らの肖像画の制作に取り組んだ。油彩画の技法や33cm×24cmというサイズは作品のすべてに共通しているが、表現においては実に多彩なスタイルが試みられている。「変化は創造である」と名言しているこの芸術家にとって、キャンバスは無限の実験空間。新たな表現方法を展開できる場であり、グラフィックとイメージとの戯れの場でもある。
横尾忠則のインタビュー映像
横尾忠則の世界を一層深く伝えるのが、映像作家の岡本憲昭が本展のために制作した映像。東京都内にあるアトリエで横尾は、カルティエ現代美術財団との関係や21_21 DESIGN SIGHTの創立者でもある三宅一生との関係について、心のままに語っている。
カルティエ現代美術財団について
企画展、ライブパフォーマンス、講演会といったプログラムを通して、あらゆる分野の現代美術を世界に向けて広めることをミッションとする民間文化機関。1984年にカルティエによって創設された同財団は、パリに位置する、建築家ジャン・ヌーヴェルが手掛けた建物にあり、アーティストのための創造的な空間にして一般市民との出会いの場となっている。世界中のアーティスト、科学者、哲学者、ミュージシャン、建築家の間の、意外な出会いを促進する当財団は、長年にわたり科学から映画、ダンス、デザインなど多岐にわたるテーマで独自性ある現代美術展プログラムを企画するとともに、50ヶ国500人のアーティストによる2,000点以上の作品を集めたユニークなコレクションを築いてきた。
横尾忠則
横尾忠則は、1936年兵庫県生まれの美術家。72年にニューヨーク近代美術館で個展。その後もパリ、ヴェネツィア、サンパウロ、バングラデッシュなど各国のビエンナーレに出品し、ステデリック美術館(アムステルダム)、カルティエ現代美術財団(パリ)、ロシア国立東洋美術館(モスクワ)など世界各国の美術館で個展を開催。また、東京都現代美術館、京都国立近代美術館、金沢21世紀美術館、国立国際美術館など国内でも相次いで個展を開催し、2012年、神戸に横尾忠則現代美術館開館。2013年、香川県豊島に豊島横尾館開館。作品は国内外多数の主要美術館に収蔵されている。11年に旭日小綬章、同年度朝日賞、15年に第27 回高松宮殿下記念世界文化賞、令和2年度東京都名誉都民顕彰。7月17日より東京都現代美術館での大規模な個展が開催される。
「横尾忠則:The Artists」開催概要
会期 | 2021年7月21日(水)—10月17日(日) |
開館時間 | 平日 11:00—17:00、土日祝 11:00—18:00 |
休館日 | 火曜日 |
入場料 | 無料 |
WEBサイト | https://bit.ly/3x4l785 |