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第22回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展 ちぇんしげ展「《壽桃》壽レ桃」

ガーディアン・ガーデンが開催する若手クリエイターの個展開催の権利をかけた公募展第22回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者のちぇんしげによる個展「《壽桃》壽レ桃(もも まんじゅう ももヲ ことぶク)」が2021年1月26日から2月20日まで開催される。受賞作品は、不確かさや曖昧さをテーマにした「《五円》なき衆生は度し難し」。審査員からは、モチーフのユーモラスなつながりや、鑑賞者の目を留めさせる力のある作品として高く評価された。

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壽桃=桃饅頭にぶれがある。精確に言うと桃饅頭はぶれている。ピザまん肉まんの中身は言葉通りの味が入っているが桃まんの中に入っているのは小豆。よりによって小豆の餡だ。五十音の起点と終焉に佇むあとんは如何なる重荷を肩に背負い天地開闢の霊気を身に充満させるのだろう。視覚と味覚を往来する桃まんの実体を如何に吟味するか、にも拘らずぶれ続くのはこちらも同様。百均の霧吹きでしゅっしゅっと桃色をかけて手軽に入手できる寿はとうてい桃の不在にご興味がなさそう。寿は心の底から桃に感謝する一方桃の永遠の不在を願っている。あ と んの間に行き来する桃色は、媒介。私の気分は、無問題。居場所がなくて、万万歳。

ちぇんしげ

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©︎ちぇんしげ

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ちぇんしげは、絵画や、イラストレーション、ミクストメディアによる立体など、様々な技法や素材を用いて作品を制作。言葉の不確かさや言葉自体への疑いを起点に、異なるレイヤーのつながりからモチーフを展開する作品は、信じることから物事が立ち上がること、余白から新たな創造が生まれることを意図している。個展では、桃饅頭をテーマとして、そこから広がるイメージの連続、言葉遊びから派生する作品群が展示される。会期中の2021年2月4日(木)には、グラフィックデザイナーの菊地敦己をゲストに迎え、余白をテーマにトークイベント「私はあらゆる事象中にてぶれる傍らゆとりを詮索するべき」を行う。

ちぇんしげ / 重穎 プロフィール

1993年台湾台北生まれ。国立台北藝術大学中退、武蔵野美術大学油絵学科卒業、同大学院修士課程在籍。ミクストメディアを基盤にして制作しており、アジアの風土を糧とし体感した亜細亜を多種な媒体を利用する。