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ロシアによるウクライナ侵攻を記録した決死のドキュメンタリー

第96回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した作品『マリウポリの20日間』が2024年4月26日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかで全国公開される。本作品は2022年2月にロシアがウクライナ東部マリウポリへ侵攻開始後、戦火に晒された人々の惨状をAP通信取材班が命がけで撮影を敢行、決死の脱出劇の末に世界へと発信された奇跡の記録映像となっている。

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記録したのはロシア・ウクライナ戦争を含む国際紛争の取材を10年近く経験したAP通信記者、ミスティスラフ・チェルノフとその取材チーム。彼らはマリウポリ市内に残る唯一のジャーナリストとして、死にゆく子供たちや山積する民間人の遺体、産科病棟への爆撃などを克明に記録し続けた。 本作は彼にとって初の長編映画であり、チェルノフが現地から配信したニュース、そして彼らが撮影した戦時下のウクライナ・マリウポリ市内の映像をもとに制作されている。日本時間3月11日に発表された第96回アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞を受賞し、ウクライナ映画史上初のアカデミー賞受賞作となった。本作品は包囲下の人々が経験した痛ましい惨状の記録であり、同時に、紛争地帯からの報道がどのように行われていたのか、そして、彼らが配信し続けた報道が世界に対してどのような影響を与えたのかを知る機会を与えてくれる。

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2022年3月11日 ウクライナ/マリウポリ
ロシア側戦車による爆撃によってアパートが爆破されている。

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2022年3月9日 ウクライナ/マリウポリ
ウクライナの救急隊員やボランティアたちが、空爆による被害を受けた産科病院からけがをした妊婦を運び出されている。
妊婦は別の病院に搬送されるも、助からなかった。

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2022年3月6日 ウクライナ/マリウポリ
市内にあるユースシアターで非難生活をする人々。

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2022年3月9日 ウクライナ/マリウポリ
写真家のエフゲニー・マロレトカが、空爆の後にマリウポリ市内の産科病院から立ち上る煙を指さしている。

アカデミー賞授賞式でのミスティスラフ・チェルノフ監督の受賞コメント

この作品はウクライナ映画史上初めてアカデミー賞を受賞しました。
しかし、おそらく私はこの壇上で、この映画が作られなければ良かった、などと言う最初の監督になるでしょう。このオスカー像を、ロシアがウクライナを攻撃しない、私たちの街を占領しない姿と交換できれば、と願っています。
ロシアは私の同胞であるウクライナ人を何万人も殺している。私は、彼らがすべての人質たち、国を守るために戦うすべての兵士たち、刑務所にいるすべての民間人たちを解放することを願っています。
しかし、歴史を変えることはできません。過去を変えることもできません。私はあなた方に、世界で最も才能のあるあなた方に呼びかけます。私たちは、歴史を正しく記録し、真実を明らかにし、マリウポリの人々や、命を捧げた人々が決して忘れ去られないようにすることができます。なぜなら、映画は記憶を形成し、記憶は歴史を形成するからです。

『マリウポリの20日間』概要

監督・脚本・製作・撮影ミスティスラフ・チェルノフ
スチール撮影エフゲニー・マロレトカ
製作2023年/ウクライナ、アメリカ/ウクライナ語、英語/97分/カラー/16:9/5.1ch/G
配給シンカ
URLhttps://synca.jp/20daysmariupol/