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ヴァン・ダー・アーキテクツがデザインした、開放感溢れるウィズコロナのオフィスが誕生

在日オランダ人建築家、マーティン・ヴァン・ダー・リンデンが率いる建築デザイン会社 ヴァン・ダー・アーキテクツジャパン(以下VDAJ)がデザインした、海運大手企業 ホーグオートライナーズの新オフィスが今月オープンした。adf-web-magazine-vdaj-hoegh-autoliners-office-1

ノルウェーに本社を置き、世界規模で海運事業を手掛けるホーグオートライナーズは、働き方の変化に合わせ、新しいオフィスのあり方を模索していた。そんな当社が新オフィスに求めたのは、ウィズ/アフターコロナを見据えたニューノーマルのワークスタイルに適した未来的な空間を基本に、ホーグオートライナーズの原点であるノルウェーのアイデンティティーを反映させた、10年経っても飽きの来ないデザイン。

VDAJは、そのフィロソフィー「Authentic Experience of Space」(人々の営みの目的に合わせて、そのスペースでしか味わえない体験)や、革新的なオフィスデザインを手掛けてきた20年で積み重ねてきた経験、そして「ウィズコロナのオフィスの在り方」をベースに、3つのコンセプトをかかげ、具体的なデザインに落とし込んだ。

コンセプトとデザイン

OPENNESS: 開放感

事業の舞台である海をイメージし、壁の仕切りが多い従来のオフィスとは対照的に開放感を重視したデザインを意識。一般的なオフィスに多くみられる、会議室などの部屋を密閉空間として設置するための天井から床まで一面に広がる壁を極力避けた。取り入れた箇所もあえて天井まで届かないようにしたり、一部に擦りガラスを入れて閉塞感を感じないようにしている。また、虎ノ門ヒルズという東京らしい風景を一望できる立地を最大限に活かすため、随所に「隙間」を設け、オフィスのどこからでも外が覗けるようになっている。

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内観:スペースの仕切りにはあえて隙間を作り、他のスペースと繋がっていることで解放感を感じることができる

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会議室:壁で仕切らず、擦りガラスで囲うことで自然光が差し込む開けた空間に

PROGRESSION:飽くなき前進

自動車や飛行機と比べ、何世紀も前から人類の物流インフラとして機能してきた船。歴史ある海運業のビジネスを進展させていくには、絶えず未来を見据え、進化していく必要がある。ホーグオートライナーズは今年遠洋航海(欧州→アフリカ航路)において、RORO船社としては世界初となるバイオ燃料のみを使用したカーボンニュートラル航海を行うなど、創業以来、業界の舵を取るフロントランナーとして未来を切り開いてきた。また、北欧といえば働き方改革先進国と言われている。

このオフィスは、移り変わるビジネス環境に対応し、一歩先を行くホーグオートライナーズのアイデンティティーを反映することを意識。フリーアドレスを可能にするレイアウトや多目的スペースを設けるのはもちろんのこと、移りゆく東京が開放的な窓から見える景色もオフィスの景観として取り入れたことにより、前進し続ける(=変わり続ける)10年後でも新しさを感じられるオフィスが完成した。

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共有スペース:窓から未来へと進化する東京の景色が一望できる

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共用スペース:見る場所で異なる雰囲気が味わえる

NORDIC SENSIBILITY:北欧の面影

ホーグオートライナーズのビジネスの舞台は「海」。その海でノルウェー人はヴァイキング時代から船に乗って「帆」を操り、時に「岩」間をくぐり抜け、荒波を乗り越え新たな地へと進出していった。その船の「帆」と「岩」からインスピレーションを受け、オフィスの随所に「帆」と「岩」をモチーフにしたデザインを施している。

また、ホーグオートライナーズが北欧のノルウェー発の企業であることから、オフィスのトーンを、伝統的な北欧建築によく見られる淡い木材を基調とした温かみのある色合いで揃えた。オーク材やなめらかな質感の化粧漆喰を組み合わせるなど、色だけでなく材質でも温かな雰囲気を表現。家具もHAYを始めとする北欧を代表するブランドで揃え、温もりで包まれる空間を演出した。

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内装:岩のごつごつした質感を表現した特徴的な壁

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内装:帆の特徴である三角形を随所にちりばめている

マーティン・ヴァン・ダー・リンデン プロフィール

オランダ、日本、イギリスの大学で建築デザインについて学び、インテリア・プロダクト・デザインと建築学の学士号、工学の修士号を取得。大学卒業後は日本の建築家の原広司の事務所で、新京都駅などの設計プロジェクトに携わる。2001年に建築デザイン事務所であるヴァン・ダー・アーキテクツジャパン株式会社を設立。Uber JapanやWeWork Japanなど、有名外資企業のオフィス設計を手がける。