JPタワー学術文化総合ミュージアムインターメディアテクにて開催中の隈研吾創作による特別展示「被覆のアナロジー ―組む衣服 / 編む建築」
JPタワー学術文化総合ミュージアムインターメディアテク内に展示されているインターメディアテクデザイン企画特別展示「被覆のアナロジー ―組む衣服 / 編む建築」の隈研吾の「編む建築」において、スタイレムのPLUS∞GREEN PROJECTが取り扱うポリエステル繊維をリサイクルしたフェルトボード「TUTTI® BOARD」を提供した。TUTTI BOARDが建築用の素材として採用されるのは初めてであり、TUTTI BOARDの新たな活用の可能性が生まれた。
隈研吾のTUTTI BOARDを活用した「編む建築」
今回の展示にあたり、通常の建材ではなく肌触りの柔らかな布を編んで江角の「組む衣服」と対話する空間を仕立てることを試みた。様々な布を試す中で、隈はTUTTI BOARDが本来廃棄処分となる衣服や生産過程で生じる端切れを細かく裁断して成形した素材であること、単純に廃棄を減らすだけでなく、使用後は細かく裁断して再成形することで半永久的に再利用ができる循環型の生産消費サイクルを持つプロダクトであることといった、TUTTI BOARDの循環するモノづくりのプロセスに共感し本展の素材として使用した。絶妙な柔らかさや硬さを持つTUTTI BOARDにパターンを引いて、スリット状に切れ目を入れることにより、柔らかく空間を包む編み目状の三次元曲面が立ち上っている。単体ではほとんど伸縮性の無いTUTTI BOARDを、編み目状に加工することにより、ニットのような伸縮性が生まれ、複雑な形状にも追従するしなやかなストラクチャーとなっている。他にも様々な緻密な工夫が施されておりTUTTI BOARDの新しい可能性が引き出された展示となっている。
「被覆のアナロジー ―組む衣服 / 編む建築」
ファッションデザイナーの江角泰俊と建築家の隈研吾およびインターメディアテクとの企画による2022年11月5日から2023年4月2まで世界初公開の展示。日衣服と建築は異なる分野であっても人間の活動においてはいずれも「まとう」ことを定義する創作物とし、両者は広く人間の活動を取り巻く「被覆環境」と位置づけている。「組む衣服 / 編む建築」は衣服と建築に類似する構造的・組織的な成り立ちに着目し、生産技術の発展による自由度の向上、環境負荷に配慮した自然素材の利用、再生繊維や材料のリユースなど、有機的に統合された新しいデザイン手法を提示しようとする試み。
PLUS∞GREEN PROJECT(プラスグリーンプロジェクト)
PLUS∞GREEN PROJECT(プラスグリーンプロジェクト)は従来廃棄される衣類などのポリエステル繊維を培地やフェルトボードとしてリサイクルすることで、人々がサステナビリティに親しみを感じるライフスタイルの実現を目指すスタイレムのプロジェクト。当プロジェクトでリサイクルした培地はTUTTI®、フェルトボードはTUTTI BOARDとして取り扱っている。
スタイレム瀧定大阪
1864年創業の繊維専門商社。テキスタイル、原料、アパレル製品、ライフスタイルの4つの分野で事業を展開。国内市場においてトップシェアを確立したテキスタイル事業を軸にグローバルに事業を拡大中。近年はサステナビリティに対しての方針を強く打ち出し、新たな商品やサービスの開発に挑戦している。今回の取り組みは社外との協働を推進するための活動として取り組む。