これからの都市開発、建築のあり方を考える
建築コレクティブ・GROUP個展「島をつくる|Planning Another Island」がマイナビアートスクエア(MASQ)で2024年5月23日(木)から7月6日(土)まで開催される。本展は、会場となるMASQから見える東京湾に浮かぶ大きな島・埋立地を生成する建築を介して、もう一つの島の可能性を探求する試み。建築の過程で出る産業廃棄物となった住宅の廃材を循環させる仕組みを会場に再現するインスタレーションの展示など、鑑賞者に問いを投げかける構成内容となっている。
これまでにもGROUPは、スクラップ・アンド・ビルドを繰り返してきた都市開発、建築のあり方を再考し、その実践過程そのものをアート作品へと昇華するプロジェクトを数多く手掛けてきた。近年、GROUPが力を注ぐ建築の終着地についてのリサーチ、新たな選択肢を模索するプロセスを体現した本展は、私たちの日々の暮らしから生み出されている島のあり方に考えを巡らせる機会となる。
展示室の窓から東京の埋立地が見える。
今この瞬間にも、埋立地では産廃物の処理が行われている。
私たちは日々、その「島」をつくりながら生活をしている。毎日決められた時間、ルートで集められる産廃物は、いくつかの「建築」を介して分別、粉砕、焼却、運搬され、最終的に埋立処分場に運ばれ、私たちが今見ている「島」の一部となる。
この展示では、島をつくる「建築」を展示室に移設する。
本展に合わせて、とある小さな住宅の改修を行い、その過程で生まれる廃材を、展示室でコンポストして土をつくる。そうしてできた土はもとの場所に戻り、この東京という「島」の形を変えていく。
私たちは「島」をつくる「建築」を展示室に再現し、窓の外に見える「島」とは異なる、新しい島をつくることを試みる。GROUP
GROUP
建築プロジェクトを通して、異なる専門性を持つ人々が仮設的かつ継続的に共同できる場の構築を目指し、建築設計・リサーチ・施工をする建築コレクティブ。主な活動として、設計・施工「夢洲の庭」(大阪府、2025)、設計・運営「海老名芸術高速」(神奈川県、2021)、設計・施工「新宿ホワイトハウスの庭」 (東京都、2021)、企画・編集「ノーツ 第一号 庭」(NOTESEDITION、 2021)、設計「EASTEAST_TOKYO」(アートフェア会場構成、2023)、 グループ展「InvolvementRain/Water passage」(金沢21世紀美術館 DXP展、2023)、個展「手入れ/Repair」(WHITEHOUSE、2021)など。
マイナビアートスクエア(MYNAVI ART SQUARE/通称:MASQ)
2023年7月に銀座・歌舞伎座タワー22Fにオープンした、学生、ビジネスパーソン、企業、教育機関とアーティストの繋がりを後押しするプラットフォーム。複雑化した社会で、主体的に考え柔軟に判断していく力を養うきっかけとなる「アート」や「アート思考」、「リベラルアーツ」を起点に、プログラムを展開中。
「島をつくる | Planning Another Island」開催概要
会期 | 2024年5月23日(木)〜7月6日(土) |
時間 | 11:00〜18:00 |
休館日 | 日月祝 |
会場 | MYNAVI ART SQUARE |
URL | https://tinyurl.com/342uhme9 |