アマナは、アマナコレクション展として第4弾となる、「アマナコレクション展 04 – 鷹野 隆大、津田 直」を2019年9月30日までアートフォトの専門ギャラリーIMA galleryにて開催。アナマコレクションは既成の概念や視点に疑問を投げかけ、新たな創作への道を開こうとする日本の写真家たちの約900点の多彩な作品を収める。
正面の壁に展示されている鷹野隆大の作品は、35mmのネガフィルムを引き延ばしたゼラチンシルバープリントによるもので、写真家自身の影が写されている。微かに見て取れるのは写真家の姿だが、それはぼんやりとした輪郭となって身近な場所の床に写り込む。これらの作品の左の壁には、3つのフォトグラムから構成される作品が展示され、これらの作品もまた写真家の姿が写されている。鷹野は暗室の一角に印画紙を設置し、これら3つのフォトグラムを同時に感光した。
反対側の壁には津田直の作品が一直線に並び、水平線がさまざまな風景の中で続く。2枚が対になる4作品が展示され、それらの構図は僅かに重なり合う。この連続性は、どのように私たちは世界を見ているのか、独立した二つのカメラのように、両目は風景を捉えていることを示唆する。津田はこれらの作品シリーズを遠く離れた3ヵ国(中国の黄山、モロッコの山峡や砂漠、そしてモンゴル北部地域など)で撮影。撮影場所は個々に記されていないが、津田は旅の中での偶然の出会いに導かれながら、自身が三脚を置く場所を明確な意思で選んだ。それは作家が、”風と共に暮らす遊牧民たちを訪ねる旅でもあった”と語るように、津田が「風の河」と呼ぶ流れは、遠く離れた場所をつなぐ帯のような存在として地上に浮かび上がる。
鷹野隆大 Ryudai Takano
1963年福井県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。「セクシュアリティ」「都市」「近代」などのテーマを基軸とした作品を多数発表してきた。2006年、男性ヌードなどを通してセクシュアリティを問う写真集『In My Room』(2005)で第31回木村伊兵衛写真賞受賞。これまでに発表した作品に、1998 年から毎日欠かさず何気ない日常を撮り続ける『毎日写真』シリーズや、裸身の鷹野と被写体がともに並ぶポートレイト写真『おれと』シリーズ、地面や壁に映る、都市を行き交う人々の影を撮影したシリーズなどがある。2010年に鈴木理策、松江泰治、倉石信乃、清水穣らとともに、企画展やレクチャーを行う「写真分離派」を設立。これまで参加した主な展覧会に「愛すべき世界」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2015-16)、「総合開館20周年記念 TOPコレクション『シンクロニシティ-平成をスクロールする 秋期』」(東京都写真美術館、2017)。
津田 直 Nao Tsuda
1976年神戸生まれ。世界を旅し、ファインダーを通して古代より綿々と続く、人と自然との関わりを翻訳し続けている。文化の古層が我々に示唆する世界を見出すため、見えない時間に目を向ける。2001年より多数の展覧会を中心に活動。2010年、芸術選奨新人賞美術部門受賞。大阪芸術大学客員教授。主な作品集に『SMOKE LINE』、『Storm Last Night』(共に赤々舎)、『SAMELAND』(limArt)、『Elnias Forest』(handpicked)がある。現在、宮城県石巻にて開催の「Reborn-Art Festival 2019」に参加中(〜9/29まで)。また9/21〜11/24に長野県原村の八ヶ岳美術館にて2016年にTaka Ishii Gallery Photography / Filmにて発表した「Grassland Tears(草むらの涙)」シリーズの続編として、個展「湖の目と山の皿」を開催予定。
イベント概要
タイトル | 「アマナコレクション展 04 – 鷹野 隆大、津田 直」 |
会期 | 2019年9月2日(月)~9月30日(月) |
時間 | 11:00~19:00 (日曜・祝日休) |
会場 | IMA gallery 住所:〒140-0002 品川区東品川2-2-43 T33ビル1F |
入場料 | 無料 |
問い合わせ | TEL/ 03-3740-0303 E-Mail/ imagallery@imaconceptstore.jp |