日本家屋からインスピレーションを得たインスタレーション
KOYORIは日本全国の優れたものづくりを行う企業とそのものづくりを世界に伝える力を持つ企業がアライアンスを組み、ボーダレスなデザインの家具とインテリアアクセサリーを提供することを目指したブランド。無垢の曲木家具を得意とする飛驒産業、成形合板を得意とする天童木工という、技術と歴史ある家具メーカー2社がKOYORIのものづくりに参加している。
コペンハーゲンを拠点とするデザインスタジオ、ガムフラテージが展示のキュレーションを手掛け、日本家屋からインスピレーションを得たインスタレーションは、クラシックな北欧建築の中に日本の要素を溶けこませた美しい空間となった。KOYORIのコラボレーションデザイナーであるパリを拠点とするデザインデュオ、ロナン & エルワン・ブルレックとガムフラテージがデザインした新作テーブルが発表された。ガムフラテージがデザインしたKOYORIのインスタレーションは3つのエリアに分かれ、北欧のクラシックな建築と日本家屋のコントラストを表現した。
ガムフラテージ デザイン 飛驒産業製Miauテーブル
無垢材の天板と脚が溶け込むように繋がったデザインが特徴。シームレスな接合を実現するために木部のパーツに緻密な切削加工と精度の高い接合技術が必要で、無垢材を削り込むことで美しい木目の表情を出している。
ガムフラテージ デザイン 天童木工製Edahaチェア
「Eda-枝」を表した脚部と「ha-葉」を表した座部分を、全て成形合板で構成するという他に類をみないデザインのEdahaチェアは、ほとんどが曲線や曲面で構成されている。脚部は3次元曲面に不等厚成形という部分的に厚みを変える手法を取り入れ、Edahaチェアに繊細な印象を与えている。最高の技術力によってのみ可能となったまさにユニークなチェア。
ブルレック兄弟デザイン 飛驒産業製 Neiテーブル
シンプルな構造でありながら天板と脚との接合部に独自性があり、有機的な曲面と調和した天板形状により、造形美を引き出したデザイン。4本の脚を幕板や樌で繋がない独立した構造にすることで、意匠性を保ちながらもその課題に応えている。
天童木工製Usuraiテーブル
天童木工の技術が集結した家具の一つ。幕板・樌がなく、四隅に脚が取り付けられたシンプルな構造ながら、積層合板家具の新たな可能性を示す技術が詰まっている。
デザイナー
ロナン&エルワン・ブルレック
フランス人の兄弟デザイナー、ロナンとエルワン・ブルレックは1999年から協働。工業デザインから工芸品、大規模な生産開発から研究、オブジェクトから公共スペースまで、複数の表現分野にまたがり日常生活に取り入れられている。
ガムフラテージ
デンマークの建築家スティーネ・ガムとイタリアの建築家エンリコ・フラテージによって2006年に設立。コペンハーゲンを拠点とし、伝統とリニューアルの融合から素材と技術への実験的なアプローチで創造力を発揮する。
KOYORI
日本全国の優れたものづくりを行う企業とそのものづくりを世界に伝える力を持つ企業がアライアンスを組み、卓越した製造技術と国際的なコンテンポラリーデザイナーが協働することで品質を備えたボーダレスなデザインの家具とインテリアアクセサリーの提供を目指したブランド。日本語の「紙縒」から取ったブランド名のKOYORIは、古くから日本でのお祝い事に欠かせない水引の素材であり、結びつきの意味も込められている。