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ピエール・ジャンヌレ/Pierre Jeanneretへのオマージ

カッシーナは、カッシーナ・イクスシー直営店にて2020年5月より展開する新作展示に際し、インド・チャンディガール(Chandigarh)のプロジェクトからピエール・ジャンヌレ(Pierre Jeanneret)へのオマージュとして製作された4つのモデルを展示発表する。

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ル・コルビュジエ作品の調査と保護

ル・コルビュジエの建築作品群が2016年にユネスコの世界文化遺産に登録されたことにより、1951年からインドの独立と近代化を記念し実施されたチャンディガールプロジェクトも大きな関心を集めた。

かねてよりイ・マエストリコレクションの一部をなす巨匠建築家たちの作品の調査研究に専念してきた事実を踏まえ、カッシーナはチャンディガールに関する詳細な研究のサポートをする決定をした。フランスで最も権威のある各研究機関の協力のもと、ル・コルビュジエ財団が主導したこの研究の主目的は、チャンディガールというユニークな遺産の正式な研究資料を作成、保存しその価値を高めることにあった。当該プロジェクトは、ル・コルビュジエの詩情、技術、思想形態を要約した最も成熟した作品と考えられており、建築とデザインの研究ならびに文化的な貢献を目指した彼の意志に通じるものである。

チャンディガールプロジェクトの中核:キャピトル・コンプレックス

当時の首相ネルーから指名され、ル・コルビュジエが請け負ったチャンディガールプロジェクトは、従兄弟のピエール・ジャンヌレを含めた建築家グループとともに彼が自らの建築と都市の理論を試す重要な機会となった。

ル・コルビュジエは都市を人間の身体として捉え、パンジャブの新しい首都の政治および行政の中枢がその頭部になると考えた。そこは高等裁判所、行政庁舎、立法議会棟からなる大きな3つの記念碑的ブルータリズム建築で構成されている。これらは、肺に見立てた緑地公園、静脈や動脈のような大通りの整然としたシステムをともない、50以上の部分的に自立した「区域」からなる碁盤目の胴体とつながっており、都市のスムーズな循環を請け負っている。

この奇抜な建築的、芸術的インテリアプロジェクトは、近代史にとって長きに渡り重要な参考事例とされてきた。

モダンの代表、カッシーナがピエール・ジャンヌレに捧げる

カッシーナはル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ぺリアンという3人の偉大なモダニティの主役たちが存命中であった1965年から同氏らの家具を復刻して来た。そのため、カッシーナが彼らの作品への理解を完結させるべく、キャピトル・コンプレックスの為にデザインされた家具の遺産に興味をもったのは自然の流れであった。証拠資料こそないが、ピエール・ジャンヌレがチャンディガールの都市の家具デザインにおいて重要な役割を果たしていたのは確かな事実だ。

真正性を最大限に尊重しつつ、キャピトル・コンプレックスの家具がこれまで地元の職人によってディテール部分において個体差を伴いリプロダクションされていたという事実や、ある程度一般的なインスピレーションの源になっていたこともカッシーナは十分に認識している。

素材やドローイングの分析のためにアーカイブの利用を許可してくれたル・コルビュジエ財団のサポート、ならびにピエール・ジャンヌレの意匠継承者の合意のもと、カッシーナはキャピトル・コンプレックスの家具の研究を始め、ピエール・ジャンヌレにインスパイアされたこれらのモデルの製造を実現するに至った。

チャンディガールのクリエーションの中心的人物であるピエール・ジャンヌレへ捧げる4つのプロダクトからなるコレクションはこのようにして生まれた。彼は1967年にその生涯を閉じるまでインドで暮らし、地元と密接かつ継続的に触れ合うことにより基本的な形態とシンプルな素材を組み合わせ、モダンなヨーロッパの理想と伝統的なインドの精神との出会いの場を作った。

CAPITOL COMPLEX OFFICE CHAIR(アームチェア)

このチェアはチャンディガールのキャピトル・コンプレックスの中で最も知られているモデルの一つで、行政庁舎の様々な管理事務所に置かれている。逆V字型に配置されたサイドバーを含む独立したパーツは、すべて無垢材で作られており、一点に収束してアームレストを支えている。これはコレクション全体の特徴的な要素であり、多数のバリエーションがある。木のフレームに籐が編み込まれたシートとバックレストは、特徴的要素となっている。

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左: アームチェア 右:アームレスチェア

CAPITOL COMPLEX CHAIR(アームレスチェア)

よく知られているOFFICE CHAIRと同様、アームレスタイプのこのチェアもV字の構造を用いています。しかしこのチェア場合、V字はアームレストの高さまでは伸びずコンパクトになっています。幾何学的断面を備えた2つの重厚な木の輪郭、全体にシンプルでありながら力強い印象をもたらす脚部に接続された、籐編みのシートが重要なポイントです。

CAPITOL COMPLEX ARMCHAIR(ラウンジチェア)

行政庁舎、立法議会棟とともに、高等裁判所もチャンディガールのキャピトル・コンプレックスの基本的な中枢となっています。各部屋は、V字型を特徴とする家具の同じ構造を備えさらに十分なパッディングで快適性を高めたアームチェアで満たされていました。連結した横木やアームと背もたれの間にある外部ジョイントなど、支持構造は見えている木製パーツのみです。アームレストをほぼくるんでしまっているパッディングが丸みのある幾何学的な輪郭を描き、特徴的なシートと背もたれのクッションとともに、優雅さとシンプルさを損なうことなく、即座に快適な感覚を与えてくれます。

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ラウンジチェア

CAPITOL COMPLEX TABLE(テーブル)

この大きなカンファレンステーブルは、キャピトル・コンプレックスの立法議会棟で使われた家具の一つ。無垢材のべース部分は特徴的な十字の角の形をした2つの重要なグラフィック要素とともに、この場所の厳粛な活動を想起させる。

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2020年展示テーマ『LIFE CRUISE-旅するように暮らす』

新作展示Chandigarh(チャンディガール)
青山本店、大阪店2020年5月25日(月)~
名古屋店、福岡店2020年5月28日(木)~
URLhttps://www.cassina-ixc.jp/