“透明”から世界を見通す展覧会
アート・コミュニケーションプラットフォーム「ArtSticker(アートスティッカー)」が運営するコマーシャルギャラリーGALLERY ROOM・Aにて、新進気鋭の画家・川端健太と高山夏希による2人展「透明な交点」が2023年6月17日(土)から7月23日(日)まで開催する。本展では“透明”がひとつの着眼点となっており、そこから視えるそれぞれの独自の世界の捉え方が透けてみえてくる。作品の透明性も独自の解釈が異なる二作家。水とガラス、共通のファクターとなる“透明”から世界を見通す作品群は、どのように現実世界へと交わり接する点となって働きかけるのか。自然の中に潜む微小な世界に目を凝らし、光と影の変化、存在する美、想像的な視点を堪能することができる。
開催概要
ディティールに対する徹底したこだわりが際立ち、緻密な筆致と繊細で深みのある表現が共通する両者であるが、作品を通じて視ている世界の方向性や思想は異なる。川端は1994年埼玉県出身。2019年に油画専攻首席、美術学部総代として卒業後、現在は東京芸術大学美術研究科油画技法材料研究室の博士課程に在籍中。これまで現代的な視覚体験や感覚、個人の記号化、そしてインターネットの普及に伴う多様なコミュニケーションに注目し、絵画彫刻を制作してきた。今回、川端は取材の時点からモチーフと自分自身の間に意識的に隔たりを作り、何かを通して見ること、知覚の多層的な感覚を実感することを試みるため、意識的に作る隔たりの一つに、本展の作品ではガラス片を用いて制作を行う。また作品の樹脂を用いた強光沢な画面も展示タイトルの透明というワードと重なる。一方、高山は1990年山口県出身。2016年に東京造形大学大学院造形研究科美術専攻領域を修了。アクリル絵の具を流れる粒子のように物質的な状態として扱い、積層して彫刻刀やカッターの刃などを⽤いて削り出すなど、平面を主な媒体としながら、触覚的あるいは彫刻的ともいえる⼿法を用いて制作をしている。高山は今回、自覚的に見ようとしなければ見えない世界への解放を、普段、視覚的に情報としてみている気になっていることへの問い立てとして、水の物質の特性を素材とした作品《Water mirror》シリーズを新作のドローイングとともに発表する。
作家プロフィール
川端健太 / Kenta Kawabata
埼玉県出身。東京藝術大学大学院修士修了。現代的な視覚体験や感覚、個人の記号化や、インターネットの普及に伴う人とのコミュニケーションの多層化など、人と人との情報伝達を間接的にしていると思われる隔たりについて考え絵画彫刻を制作している。
高山夏希 / Natsuki Takayama
⼭口県生まれ、東京育ち。東京造形⼤学絵画専攻にて美術を学んだ。平面作品(絵画) を中心に、粒子の感触を確かめるように人間と物質の関係の再考を試み、人・動物・モノ・環境などが⼀体 性をもった自然観を表現している。また、インスタレーション、セラミック、彫刻など様々な媒体による作品の制作、発表を⾏ってきた。
川端健太 × 高山夏希2人展「透明な交点」開催概要
会期 | 2023年6月17日(土)から7月23日(日)まで |
会場 | GALLERY ROOM・A |
時間 | 8:00 ~ 23:00 |