巨大アート空間「teamLab Phenomena Abu Dhabi」の建設が25%完了
チームラボは、アブダビ文化観光局とデベロッパーのミラル社と共に、アブダビ(アラブ首長国連邦)で大規模なアートプロジェクト「teamLab Phenomena Abu Dhabi」(チームラボ フェノメナ・アブダビ)を推し進めている。同プロジェクトは、チームラボの新たなコンセプト「Environmental Phenomena」(環境現象)をテーマにした作品群による、全く新しいアート体験。延床面積1万7000平米、天井高最大20メートルの巨大空間で、建設の25%が完了した。
teamLab Phenomena Abu Dhabiが位置するのは、ルーヴル・アブダビやグッゲンハイム・アブダビ(2025年完成予定)などが並ぶ、アブダビの文化中心地であるサディヤット文化地区。竣工は2024年を予定している。teamLab Phenomena Abu Dhabiは、新しい作品を含む、チームラボの大規模な作品群で構成され、空間は人々の参加や行動によって有機的に変化し、来場者は変化していく世界へ没入し、身体で体験していく
teamLab Phenomenaの最大の特徴は、環境とそれによって生み出される様々な現象にある。環境が現象を生み、環境がその現象の構造を安定させ、安定した現象が作品の存在をつくる——。石ころやこれまで人間がつくってきたそれ自体で安定的な構造をもつものとは異なり、teamLab Phenomenaの作品は作品自体では存在せず、環境がつくる現象によってその存在がつくられている。
環境現象はこれまで存在の構造を担っていた物質から解放され、日常的にありふれた空気や水、光なども環境によって特異な現象となり、その現象がアートの存在となる。そして、その存在の境界は曖昧で連続的。人々が作品を壊したとしても環境が維持される限り、作品は存在が維持される。逆に環境が維持されない時、作品は消えてなくなってしまう。その結果、人々の意識は存在そのものから環境に広がっていくとチームラボは考えている。
石ころは外界から遮断され密封された箱に入れても存在し続けますが、生命はそのような閉じた箱に入れられると存在を維持できない。生命もまた、環境によってつくられている存在であり、開いた世界の中で連続する流れの中に生まれる奇跡的な現象なのかもしれない。