日本の美術館で開かれる約10年ぶりの個展
ホンマタカシ個展「即興 ホンマタカシ」が、2023年10月6日(金)から2024年1月21日(日)まで東京都写真美術館で開催される。本展はホンマにとって日本の美術館で開かれる約10年ぶりの個展となる。ホンマは建築物の一室をピンホールカメラに仕立て、世界各地の都市を撮影した、本展の中核をなす出品作品《THE NARCISSISTIC CITY》について「都市によって都市を撮影する」と述べ、外に向かって開かれた小さな穴から差し込む光は、真っ暗な部屋の中に倒立した都市の風景を即興的に描き出している。この「即興」という言葉が本展では一つのキーワードとなっている。
作品や展覧会自体に偶然性を取り入れることに作家の現在の関心はあり、作品の中にも文字として現れる本展の英題「Revolution 9」は、イギリスのロックバンド、ビートルズが様々な音源を元にコラージュのように制作した同名曲へのオマージュとして捧げられている。
本展では、この10年あまりに制作された作品を中心に、写真・映像表現にラディカルな問いを投げかけるホンマの今に迫る。
また、ホンマは写真作品だけではなく、映像作品の制作にも継続的に取り組んでいる。本展が初公開となる新作を含む、映像作品を 1 階ホールで特集上映。会期中にはホンマが講師を務める計6回の連続ワークショップや、出品作家とゲストによるトークなども予定している。11月発行予定の展覧会図録では、作品図版に加え、作家自身が撮影した会場インスタレーション写真を多数掲載予定。また、ガブリエル・リッター氏(キュレーター/美術史家、カリフォルニア大学サンタバーバラ校美術学科准教授・大学美術館館長)、担当学芸員による論文を掲載する。
ホンマタカシ
1962年東京都生まれ。1999年、写真集『東京郊外』(光琳社出版)で第24回木村伊兵衛写真賞を受賞。2011–2012年、個展「ニュー・ドキュメンタリー」(金沢21世紀美術館、東京オペラシティアートギャラリー、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)を開催。著書に『ホンマタカシの換骨奪胎―やってみてわかった!最新映像リテラシー入門―』(新潮社、2018 年)など。作品集に『Tokyo and my Daughter』(Nieves、2006 年)、『THE NARCISSISTIC CITY』(MACK、2016年)、『Looking Through: Le Corbusier Windows』(窓研究所/カナダ建築センター/Koenig Books、2019年)など。また、『Thirty-Six Views of Mount Fuji』(MACK、2023年)、『TOKYO OLYMPIA』(Nieves、2023年)を刊行予定。
「即興 ホンマタカシ」開催概要
会期 | 2023年10月6日(金)~2024年1月21日(日) |
時間 | 10:00 - 18:00(木・金は20:00まで)入館は閉館30分前まで |
休館日 | 毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌平日)、年末年始(12/29-1/1) |
会場 | 東京都写真美術館 2F展示室 |
主催 | 東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館 |
料金 | 一般700円/大学・専門学校生560円/中高生・65歳以上350円 |
URL | https://onl.tw/htbdKtC |