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「BACK TO THREAD / 糸への回帰」をテーマに、みて・ふれて・参加する「FUJI TEXTILE WEEK 2023」

FUJI TEXTILE WEEK実行委員会は、今回第3回となる伝統織物産業と現代アートが織りなす布の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK 2023」を、山梨県富士吉田市で2023年11月23日から12月17日まで開催する。本イベントは、織物産地の事業者と国内外アーティストがコラボレートした作品をはじめテキスタイルを軸にした作品を展示する「アート展」と、産地の歴史にふれることができるアーカイブ展示に加え、生産者たちとのビジネスマッチングを実現する「デザイン展」の2つが一番の特徴となっており、その他、地域の豊かな歴史·文化資源を活用したプログラムが実施される。また、各会場に街の空き家を活用するなど、地域への貢献・発展を見据えたアートイベントとなる。

Fuji Textile Week 2023　ロゴ

今年のテーマ「BACK TO THREAD / 糸への回帰」

古くは江戸時代、この地域は気候や土壌の性質などの影響で農耕に適さない土地であったことから、織物産業における養蚕・紡績・染色・織りを担う産地となる。その後、社会の様々な変化とともに、糸の多くは他の地域からの輸入へと移り変わり、産地のものづくりは糸の仕入れに大きく影響を受けるようになった。近年では糸の仕入れ価格高騰なども受け、生産者と消費者の意識は素材や環境問題への関心へと広がっている。今回、そのような背景を受け、素材としての糸への新たな視点や、ものづくりの原点に焦点を当てたプログラムを実施する。

「FUJI TEXTILE WEEK 2023」プログラム紹介

「みる・ふれる・参加する」の3つの切り口から「FUJI TEXTILE WEEK 2023」の各プログラムを紹介。メインプログラムでもある「アート展」「デザイン展」を軸に、新たな試みとして企画される参加型プログラムの開催など、盛り沢山の内容となっている。

アート展

国内外からアーティストが集まり、テキスタイルをテーマにした作品や、織物産地の事業者とコラボレートした作品などの展示を実施。また、展示会場として、地域が抱える課題でもある空き家を会場として活用することで、課題解決の実現を目指しており、地域の資源に寄り添った試みとなる。

FUJI TEXTILE WEEK 2021 出展作品
《裏地/ 裏富士》西尾美也| 撮影吉田周平

FUJI TEXTILE WEEK 2022 出展作品
《The Silk in Motion》落合陽一| 撮影吉田周平

FUJI TEXTILE WEEK 2022 出展作品
《Aether 2022》安東陽子| 撮影吉田周平

デザイン展

明治・大正期頃に郡内織物産地(現在の富士吉田周辺地域)で織られていた織物「甲斐絹」。本企画展は、現在地域内で保管されている数百点を超える資料の中から厳選された生地や羽織、当時使われていた道具を様々な視点から観ることができる、この産地固有のアーカイブ展となる。普段一般公開されないそれらの生地は、平面に見れば絵画的であり、立体に見れば建築的であり、当時職人の手で織りなされた糸から生まれた芸術作品である。そして、現代では復元不可能な甲斐絹には、様々な物語、あるいは当時の人々のメッセージが織り込まれている。“織物をよむ”とはどういうことなのか、会場で体感することができる。

現在は生産されなくなってしまっ
た伝統織物「甲斐絹」

産地の展覧会の様子 | 2021年

ふれる

1000年の歴史を持つ織物の街・富士吉田市ならではの、テキスタイル製品のマーケットや、産業発展のための商談会など、訪問者と産地の人々や織物とのふれあいの機会を提供する。

産地のデザインプロダクトが並ぶマーケット | 2022年

参加する

富士山の世界文化遺産登録10周年を記念した新たな試みとして、「富士山借景」企画を実施。富士山ビュースポットの特別開放やフォトコンテストキャンペーンを開催する。

建物の屋上から富士吉田の街をながめる