作家にとって大切なモチーフのひとつである椅子もリアル展示
ジーンが運営するYUGEN Galleryにて、画家としてだけではなくインテリア、ファッションと多方面で才能を開花させているNaQstoeru.m.j.k.(ナクストエル.エムジェイケイ)が、画家としての活動10周年を迎え、描き下ろし作品のみで構成する展覧会「Savor」が、2023年4月22日(土)から4月27日(木)まで開催する。「香り」を意味するタイトルは人とすれ違った時の残り香、訪れた場所に漂う香りなどから思い出が蘇ることにインスピレーションを得たもの。香りによって記憶が蘇る瞬間をカメラのシャッターを押すようにして描いたペインティング28点を公開。一貫して描くモチーフは、椅子と少年のようなキャラクター「sati(サティ)」。家具が好きで絵を描く時もイーゼルでなく椅子にキャンバスをかけているというほどm.j.kにとって仕事、ひいては生活に欠かすことができない道具である椅子。時には四本足の動物のように愛おしく感じるといい、日常の延長線上に佇むファンタジーとして捉えている。今回、作中で描いた椅子を家具職人に制作を依頼。ペインティング作品と合わせて展示する。
いっぽう創作活動を始めて間もない頃から描き続ける、サティを「(自分にとっても)どういう存在であるのかフォーカスするタイミング」と話す。画家として活動して10年の節目に開催される本展は、m.j.kの創作の背景を探るものとして位置づけることができ注目される。
モチーフは変わらずに描いてきたけれど、初期の頃はもっとアブストラクトというか筆を勢いで走らせているような感覚だった。線一本を意識して引くようになりスキルも上がっている今、初期の荒々しい部分を自分でコントロールして表現したいと思っている。絵を描くのは穏やかな時間。BGMで流す音楽にしてもゆっくりとしたもの。テンポが速い曲をかけるとミスが多くなる。生活が荒れてしまっている時や気分が落ち着かない時には絵は一切描かない。
NaQstoeru.m.j.k.
ジャズセッションのように湧いてきたイメージに反応して描かれる不穏でコミカルな世界観は、かけがえのない日常に刻印を押すように暮らして生まれるもの。ふだんの暮らしにこそスリルとロマンが詰まっていると訴えるm.j.kのファンタジックな世界を楽しむことができる。
NaQstoeru.m.j.k. / ナクストエル.エムジェイケイ
愛知県名古屋市出身。2010年から表現活動を始め、2013年から画業を本格化。同年、初めて個展を開催。現在は東京を拠点に商品パッケージやCDジャケットのアートワーク、店舗の壁画制作といった画業に加え、アパレルや小物といったプロダクトの企画も手がけている。主な展覧会に、2018年東京・kitgallery 個展「TOKYO WONG」、2021年東京・UNKNOWN GARALLY 個展「RAWRAWRAW」、2022年東京・MIYASHITA PARK OR 個展「thaMOST」などがある。
YUGEN Gallery
ジーンの運営する現代アートギャラリー。オフィスに併設されるオフラインギャラリーとオンラインギャラリーから構成され、現代アートの販売・プロモーションを実施するためのプラットフォームとして機能する。オンラインギャラリーについては、日本語、英語、中国語のマルチリンガルに順次対応予定となっており、国内現代アート作品・作家のプロモーション、作品販売をグローバルに展開する。
ジーン
インターネット広告を活用したコンサルティングサービスを提供するデジタルマーケティング事業のほか、アート・メディア事業、ライフスタイル事業を展開している。
「Savor」開催概要
会期 | 2023年4月22日(土)から4月27日(木)まで |
会場 | YUGEN Gallery |
時間 | 月 ~ 金:14:00 ~ 19:00 / 土・日・祝:13:00 ~ 19:00 |
入館 | 無料 |