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京都最古の禅寺として知られる建仁寺とその塔頭の一つである両足院

伝統工芸の技法に根ざした絹本への抽象的なペインティングで内なる祈りと直感の世界を表出する山田晋也が、京都・建仁寺塔頭、両足院で2度めとなる個展「うちにあるもの ‒Representation‒」を発表する。2020年の「胎内衆会『 ぼくらは何処にかえるのだろう?』」では、両足院の方丈内陣を黒い絹本で覆うインスタレーションによって、観客を本尊・阿弥陀如来を視覚でなく気配で感得させる体験へと導いた。

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両足院展示イメージ

今展では両足院の古材を枠に用い、山田が抽象画を描いた絹本を張った中に、仏像と灯火を包み込んだオブジェ『影向』(ようごう)をAntiques&Art Masaが制作。夕闇に満たされた両足院の方丈にいくつもの「見えない浄土」が浮かび上がるかのような景色を描く。adf-web-magazine-shinya-yamada-representaion-2

絹という素材

今回展示されるインスタレーション、平面作品、オブジェ『影向』(ようごう)で山田が用いるのは、帯図案を描くための特殊な絹本。裏から打った箔を透かせた上に図画を重ね見せるため、日本画材の絹よりもはるかに薄く、扱いもきわめて難しいもの。着物メーカーでもある山田が深い敬意を注ぐ絹は「胎内と浄土―うちとそと」「覆うことで、内に深く感じる」という山田のパーマネントなテーマを表現する上で欠かせないものである。

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作品「影向」アップ

山田晋也

1974年京都生まれ。豊和堂(京都市上京区)アートディレクターとして、国宝をはじめ数々の歴史的な重要染織品の復元、奉納をおこなう。『ぼくらが日本を継いでいく(琳派. 若冲. アニメ)』展(2017~2018年京都高島屋、新宿高島屋)『ゲゲゲの鬼太郎と比叡山の七不思議展』(2019年比叡山延暦寺)では、染織工芸技術とポップカルチャーを融合させた。

Antiques & Art Masa

古美術商として京都・下鴨にアトリエを構える。古いものから時空を超えて醸しだされるエッセンス、テクスチャーを「見立て」、リメイクする独自の手法を駆使し、現代の暮らしを彩るアートへと昇華するクリエイター。カフェやホテルの空間プロデュースも手がける。

「うちにあるもの」開催概要

会期2022年7月16日(土)から7月24日(日)まで
時間17:30~21:30
会場両足院(建仁寺山内)京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591
入場料無料