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身体と空間の関係を再定義するソファ

イタリアの家具ブランドEdraが、フランチェスコ・ビンファーレによる新作ソファ「Anywhere」を今年のミラノサローネで発表した。長年にわたり“快適性”の概念を更新し続けてきたビンファーレとEdraによる最新作は、単なる新製品というよりも、身体と家具、さらには家具と空間との関係性を再考するための提案として位置づけられている。

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Edraは新作を、流行や市場ニーズに応じて追加されるものではなく、継続的な研究の中から“必要性”が生まれた時に発表している。今回発表されたAnywhereもまた、その思想を体現するプロダクトとなっている。

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Anywhereの最大の特徴は、ソファを固定化された家具としてではなく、身体の動きや環境に応じて変化する「風景」として捉えている点にある。柔らかなフォルムを持ちながら、その構造は極めて可変性に富む。Edraが特許を取得している「Smart Cushion」技術を搭載し、背もたれの角度や座面の奥行きを自由に調整することができる。背もたれはベース両端の支点を軸に回転し、軽い動作だけで姿勢や用途に合わせた構成へと変化する。

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座る、横たわる、寄りかかるといった日常的な行為は、より自由で直感的な体験へと置き換えられ、ひとりで静かに過ごすための居場所としても、複数人が集うラウンジのような場としても機能し、使用する人や空間に応じて柔軟に姿を変えていく。

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ビンファーレは、このソファを単なる“モジュール式”とは捉えていない。Anywhereは7つの独立した要素によって構成され、それぞれを自由に組み合わせたり、単体で使用したりすることができる。小規模な空間では一台のシェーズロングとして、広いリビングやホテルラウンジでは、空間全体を構成するランドスケープのような存在として機能する。

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視覚的にもAnywhereは独特の存在感を放つ。しなやかに波打つ背もたれは、背面から見ても有機的な動きを感じさせ、ソファそのものに流動性を与えている。連続するボリュームとしても、断片的な構成としても成立し、その隙間を視線が通り抜けることで、空間に軽やかな抜けを生み出す。家具でありながら、建築的なスケール感を持っている。

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また、明るく軽やかなファブリックから重厚感のある素材まで、多様なEdraのテキスタイルに対応する柔軟性も特徴のひとつ。構成や素材によって印象を大きく変化させながらも、その本質には一貫して“自由”というテーマが貫かれている。

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ビンファーレはこれまでも、身体に従属する家具ではなく、身体の感覚や感情を受け止める環境としてのソファを追求してきた。Anywhereは、その長年の研究をさらに推し進めた到達点といえる。そこにあるのは、決められた使い方を提示する家具ではなく、人の振る舞いによって完成していく開かれたシステムである。